第3話 ネタ切れは唐突に
私だって分かってる。ネタが切れる事くらい。見切り発車で暴走列車、そして掛かるみなからのプレッシャ、だんだんアガるフロアと音量、両方刻んだリズムとダンスイェア。これが私のタナトシスマイク。
謎キックを秋終わりの空向けてにしてみる私。
「もう最終回か」
短かった。元々続ける気なんて無かった。むしろなんで三話目まで行ってるのか私理解できない。そんな私の前には可愛い妹のまゆと隣のクラスのギャル、博多藍さん。
「みぃちゃー、藍お姉ちゃんと遊びたいー」
「私の早とちりやったけん…ごめん…。うちのこと許しちゃらんね…?」
仕方ない。許してあげよう。もう私にはチャンチャンバラチャンバラする元気はないので何をして遊ぼうか。
「いいよー、何して遊ぶ?」
「神滅の刃ごっこ!!!」
「最近流行ってるやつやん!よかねー!」
「じゃあそれして遊ぶ??」
「うん!!!」
神滅の刃とは、最近めっちゃ流行ってるアニメでバトルもの。主人公の鳥野炭火焼三郎(漢字でこう書いて読みは「天地を焦がす炎を纏った鶴翼(とりのすみびやきさぶろう)」)と三重にルピが振ってあるキャラなのだが、このキャラがオーディンやらハデスやらゼウスをただ倒して行く話なのだが、意外と作り込まれてて面白い。
「じゃあまなはー、焼三郎の役する!」
「んならうちはハデスの役やるたい!」
「じゃ私は実況で」
まな演じる焼三郎がハデスがいる冥界回廊の入り口に到着し、博多さん演じるハデスと闘うシーンから遊ぶらしいので私はそれを迫力あるように表現しつつ実況してこうとおもう。
「お前さぁ…神でありながらその始末、神狩り舐めてんの?」
焼三郎(まな)は特殊なミスリル鋼で作られた神狩りの刀の鋒を地面に打ち付けながらハデス(博多さん)を睨みつけた。
「くっ、ふははははは」
「あ?何がおかしいんだよテメェ」
「冥界の一部も理解出来ん能無しがほざくわ」
ハデスは焼三郎を一瞥すると嘲笑。そして右手を上げると、その掌の上に黒い塊を作り上げた。禍々しい雰囲気を放つその塊は焼三郎の身を震え上がらせることになった。
「お前が殺した信者たちの魂の成れの果て」
神は神を信仰する人間、つまり信者を使って神狩りを殺させようとする。信者は神を信仰しているだけの人間であるため、それを殺めてしまえば神狩りは人殺しの業も背負うことになる。
「亡者となりて廻り巡りて冥界へと堕ちん」
「刀が…重く…!?」
「冥の七十三、海還り」
黒い塊はやがて人型を形成し、焼三郎の目の前で様々な人の形になり黒い海となる。そしてその波は焼三郎を飲み込み。
「ゴハッ」
吐血。
「…ァ」
そして体が、黒い波に触れたところ全てが、黒になり腐食し溶けて行く。しかし焼三郎はまだ諦めてはいなかった。光り輝く神狩りの刃。
「まだ生を留めるか、人間如きが」
「瞑想…ッ…天変の譚…!十の章ッ!」
「…ッ!?なんだと…!?」
焼三郎の刀から溢れ出る霊気、雲が渦を巻き風が空に向かって吹く。そして!
「天雷衝戟!!!!!!!!」
「グッ!グハァァ!!!!!」
いや演技力高すぎかよ。
なんか沢山混ざってるし…。
《完》
取り敢えず。 鈴木カプチーノ @sasa333
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