たどり着いた先は

ペルセウスの足跡を追い二人がたどり着いたのは遺跡の最深部だった。

光の灯された部屋には月日が流れて崩れた本棚

かろうじて形を保っている本が散乱している

この部屋がどれだけの月日が流れたのかが容易にうかがえる

そして部屋の中心には祭壇が備えられていた

積もったほこりの上をかわいい足跡はその祭壇に続いていた

そのかわいい足跡の主は祭壇の上で眠っていた

アンジュが心配していたこともつゆ知らずに

猫という生き物は存外そんな感じなのである

アンジュは祭壇の上の猫に駆け寄った

「もう心配したんだよ!ペルセウス」

ペルセウスはアンジュの声を聞くと目を覚まし起き上がった

毛伸びをして大きなあくびをする

「もう、心配してたんだぞ」

エルはペルセウスの首周りを撫でる

「グルルルルル」

ペルセウスはここを撫でられるのがすごく好きなようだ

「さぁ帰って報告しよう」

アンジュがペルセウスを抱き上げたときだ

祭壇が突如として動き出した

二人は何事かとそれを見ていた

祭壇はまるで仕掛け箱のように開いた

そして次の瞬間、光が一直線に一番近かったアンジュに飛んできた

エルは咄嗟にアンジュの頭を掴み地面に伏せた

稲妻は二人の真上を通り過ぎ壁に当たる

凄まじい轟音が遺跡の中に響いた

「なに…?一体」

アンジュには何が起きたかはわかっていなかった

しかし間一髪で自分が助かったことはわかった

彼女の後方にあった壁からは煙が立ち込め石の壁がえぐられていた

当たっていたら命はなかっただろう

「ごめんアンジュ、怪我させちゃったね」

アンジュは地面に倒されたせいで少し頬が擦れていた

「だ…だいじょうぶ」

アンジュは震える声でエルに返した

エルは先に立ち上がりアンジュに手を差し伸べる

「ありがとう」

アンジュは手を取り立ち上がる

「どう?足の調子は、歩けそう」

「ごめん、ちょっと震えてて力が出なや」

アンジュは笑っていったが震えた足にはうまく力が入っていないらしい

「無理しないほうがいいよ、私につかまって」

「うん……」

エルはアンジュの腕を自分の肩に乗せる

彼女はまだ怯えているようだった

震える心音が伝わってくる

ふと祭壇に目を向けると二人は目を丸くした

祭壇の上にあったものは世界が破滅に向かっていた暗い時代

人類再生を目指し復興に奮闘していた時代の遺物だった

「…これって?」

そこにあるものがなんなのか、二人にはすぐにわかった

「オーパーツ…!」

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