混ざり始める運命

森の草木をかき分け開けた場所に、二人の人物がやってきた

「ようやく見つけたな」

黒い髪の男性は中央にある今にも崩れてしまいそうな、なんとか建物としての堤体を保っている遺跡を見つめてつぶやいた

「そうだね」

隣にいた黄金色の髪をした少年は、服についた落ち葉や草などを払った

黒髪の男性が遺跡に近づこうとしたときだ、少年が左手を出して静止させた。

「…どうした?」

少年はこの場所の異変に気がついたようだ

「サルバ、どうやら先客がいるようだ…」

少年は地面にできた真新しい靴の後を指差す

「教会の連中か?」

サルバは少年に尋ねた

「どうやら違うみたい、両方とも支給されている軍の正式なブーツのあとじゃない」

少年はしゃがみ靴の情報を探った

「どうやら2人らしい、靴のサイズから身長を計算すると二人とも160前後ってところだ」

少年は土を親指で押してどれくらいの圧力が掛かっているかを確かめる

「そんなことまでわかるのか?」

サルバは驚いた

「まぁね」

土の痕跡を見つめていると少年はあるものが目に入った

「なぁサルバ…ここにある【猫の足跡】は見えるか?」

そこのは少しだけ凹んだ跡があった

「言われてみれば確かにあるな、だけどそれがどうした?」

少年は立ち上がり、一つの考察を述べる

「おそらく片方はエルフだ」

その答えを聞いたサルバは少しため息をついた

「ふぅ…面倒なことにならなきゃいいな」

少年は立ち上がりシルクハットを整える

「今一度、作戦の確認をしよう」

「そうだな」

少年は握ぎった手をあげ、人差し指を立てた

「①誰とも接触せずに【オーパーツ】を回収する」

中指を上げる

「②接触はしたが先にオーパーツを回収する」

薬指を伸ばす

「③先にオーパーツを回収された場合、撤退を優先する。可能な場合は強奪」

小指を広げた

「④適合した場合は自身の判断での撤退」

「こんなところだったね」

少年はサルバに確認を取った

「なるべくなら先にオーパーツを回収したいな」

サルバは少し頭を悩ませた

「とやかく言っても始まらない先に進もう」

少年は襟を正して遺跡の階段を降りた

「それもそうだな」

サルバは小さな円筒状をランプを取り出し、少年の後に続き遺跡の闇の中に消えていった



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