第16話 エルフ達との私闘とあっけない幕切れ!

 俺達はエルフ達との十分間の私闘が始まった。


「よし、いくぞ。ティオ」


「オッケー、任せて」


 俺の言いたいことがティオに通じたみたいで辺り一面に雷を落とした。これで木の上にいた奴らは降りられずにはいられないはずだ。


「いきなり、やってくれたな。それにしても森を大切にしてほしいな」


「ごめんね~」


「謝ることはないわよ。先に仕掛けてきたのは向こうなんだから」


 サファイアが文句を言いながら手のひらに炎を纏って攻撃態勢に入っていた。


「待て、サファイア。さすがにこの森まで燃やしたらエルフとの話も出来なくなる。今回は見学しててくれ」


「そんな~、みてるだけなんて、あいつ等を懲らしめたかったのに~」


「懲らしめてどうするんですの。これは、力を示してエルフ達に認めてもらうためなんですよ」


 全くこの子は~と呆れて溜息をついてるヴァイオレットを見てるとわがままな妹と面倒見のいい姉みたいだな。二人とも認めたくはないんだけど・・・・・・


「ちょっとみんな、速く加勢してよ」


 ティオの言葉で振り向くと四方八方から矢が飛んでくるのを必死に防いでいた。


「しょうがない。聖剣になってくれ、サファイア」


「・・・・・・いいの、私を使うと森を燃やすかもしれないわよ」


「俺を信じろ」


「分かったわ、響也」


 俺が聖剣に戻ったサファイアを装備したとき


「私からもやらさせて頂きますわ」


 ヴァイオレットが持っている水晶から闇が溢れたかとおもうと辺り一面が覆われた。


「フッ、これで私達の矢の狙いが定まらなくなると思ったか。忘れたのか、ここはエルフの森の近く、地の利はこっちにあると言うことだ。やるぞ、お前たち」


 その時だった。


「きゃぁぁぁぁぁっ!!」


 一人のえるの悲鳴があがった。


 そっちを見るとエルフが逆さに木に吊されたいた。


「残念だったね。罠を仕掛けてもらったよ」


「な、何だと!!」


 エルフのリーダー各が驚いていた。他のエルフは後ずさりをしてあっちこっちで同じような罠や落とし穴に落ちていた。


「い、いつの間にこんな仕掛けを」


「最初からだよ」


 俺はエルフのリーダー各に対して答えた。


「この戦いを始めて直ぐにティオが雷を落としただろう。あれはお前たちを木の上から攻撃させないようにするのとは別に大きな穴を開ける為でもあったんだよ。そして木に吊し上げる罠は何個かこのあたりあったからそれを利用させてもらった。そして、ヴァイオレットが周りを闇で覆ったことで攻撃を撹乱させるためだと思ったらしいけどこれは罠を見ずらくさせるためだ。うまくいってとかったよ・・・・・・後七分ぐらいありそうだけどあんたには小細工なしで一気に生かせてもらうよ」


エルフのリーダーは冷や汗をかきながら


「面白い!かかってきな!!」


 俺は二人に手を出さないでくれと言って聖剣サファイアを構えた。


 ジリッジリッ・・・・・・先に動いたのはエルフのリーダーだった。


「いけ、鎌鼬!」


 一陣の風がすり抜けたと思ったら頬が小さく裂けていた。


『響也』


「大丈夫、かすり傷だ。俺達もやるぞ」


 今度は風の流れに乗って放たれた矢が不規則に飛んでくる。


「これで、終わりだ!!」


 俺はサファイアを一気に振り抜いた。


 すると、矢が燃え尽きて放たれた風も切り裂いた。


「!?そ、そんな」


「覚悟しろよ、サラマンダー」


 俺が放つとエルフのリーダーの回りを炎の竜巻が囲んで真空状態にした。


「ぐ、がはっ・・・・・・い、息が」


 俺は技を解くと息も絶え絶えなエルフのリーダーがいた。


「ど、どうやら、私の負けのようだ。約束通り精霊に会わせてやろう」


「やりましたわね」


「やったね、響也」


 ヴァイオレットとティオに労われてるときだった。


 ポロッと音がしたと思ったらエルフのリーダーが生まれたままの姿になっていた。


「え、キャアァァァァァァ!」


 腕で露わになった胸を隠してしゃがんでしまった。おまけに涙目である。


「見るな!」


 いつの間にか聖剣から戻っていたサファイアに目潰しをされていた。


「ギャァァ!目がー」


「・・・・・・どうしても見たいのなら私のを見せてあげるのに」


 サファイアが何か言ってるが目が痛くてそれどころではなかった。


「もう、お嫁にいけない・・・・・・」


 エルフのリーダーがいじけてるのを他のエルフ達が励ましていた。


「リーダー、既成事実を作っちゃえばいいんじゃないですか」


「そうですよ、増してはリーダーは、」


「バカっ」


「その先はまだ言っちゃだめですよ」


 エルフ達がなんかもめているようだが、それよりもサファイアの目潰しが効いていてヴァイオレットに治癒魔法をかけていてもらった。


「なるほど、そういうことですか」


 ヴァイオレットは何かに気づいたようだが、俺は傷みが和らいだことにホッとしていた。


 何とも締まらない最後だったが、ひとまずエルフとの決着は着いたのだった。


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