春風が吹く頃
リミット
それから季節が巡り春となった。もう卒業か。時間がどんどんと無くなっていく。…早く話さないといけない事を認識させられる。
「ねえ大希。明日だね。」
日芳理がそう話してくる。明日か。そんで社会人か。
「そうだな。明日で終わりか。」
そこしだけ残っていた雪を見る。まあ暖かくなってきて桜も咲き始めた。
「最後だよ。分かってる。」
まあそんな事を言われる予感があった。まあ半分は諦めが入っていた。こうなってしまったのも僕のせいなのだから仕方のない。
「まだなんだね。…早いとこ解いたら良いのに。」
それが出来ていたらこんなにも引き摺り込んでいない。
「出来たらな。…無理か。」
僕は現実に詠嘆する。
「じゃあもう一度やり直しますか。」
日芳理があの時のように敬語を使う。もう自分のした事が嫌になってくる。
「私は良いですけどどうなんですか。」
「辞めてくれ。トラウマになっているから鳥肌が立つ。」
「私怒るよそんなこと言うなら。」
少しだけ琴線に触ってしまったので会話がそこで途切れてしまった。何とかしないと。
「自然体の方が日芳理らしいから。言い過ぎた。」
すると日芳理は笑顔になってくれた。
「そうかな。じゃあそうするよ。ちなみまだ諦めていないからね。」
リミットは明日まで何とかしなければ。
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