過ちの告白

「ごめんねそれは出来ない。」

「そりゃそうだよね。あの人でしょう引っかかってるの。日芳理さん。何かお姉さま泣いていたよ。もう戻れないって。」

「…今の僕には何が出来るの。」

自分には分からないので恥を承知で聞いた。

「その口だと日芳理さんの事を本当は好きじゃないんじゃ無いの。」

「……ああ。そうなんだろう。一緒にいたとしても琥珀の事をを考えてしまうんだ。でも…日芳理は琥珀に振られた僕を慰めてくれた。」

「それはそうなるよ。誰だって心が弱ってる時は誰かの心の温もりを感じやすいもん。それでその流れで告白かそうだよね孤独は怖いもんね。誰だって怖いさ。それで日芳理さんと言う人が現れた。そして裏切らなくて一緒にいて。でも頭にはお姉さまがいて。訳が分からなくて。溜め込んでいて。もう戻れなくなって。そうだよね。」

気がつけば感情が爆発していた。こんなに爆発していたんだ。改めて知る。

「そうなんだよ……。どうすればいいか分からないんだ。」

「それは大希が決めてよ。日芳理さんといるならお姉さまを忘れてお姉さまといるならそれ相当の事をしないと。」

「理解してくれてありがとう。」

「まあね。私に言ってもらえればこんな事にならなかったと思うよ。……大希、誰かが傷つかない世界なんてないんだよ。誰かが傷つき世界は造られている…だからこんなこと言うのも間違っているけど正しい事ばかり言ってられない。誰かが傷ついてしまうから。それで答えは出た」

「答えは誰も傷つけない。」

「出来るといいね。…頑張って。」

もう決心がついた。もう傷つくのは僕だけでいい。


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