避けたかった曲
僕は楽器を持って来た。なんだか今日一日で一曲作ると半ば強引に決まった。
「さてと何がいいですか。」
頭を悩ませる。僕は動画サイトを見てベースが簡単な曲を見つけた。
「あ、これとかどうですか。」
関連サイトから難しい曲を持ってくる。
「これはマジでやばいから。ほら見てみてピアノもえぐいでしょ。」
「このくらいでへこたれていてもね。それに私も頑張るから。」
「…じゃあ練習するか。」
そうして地獄の練習が始まる。…こんなん数日で終わるような曲ではないぞ。…うっう。…歌詞の意味を理解してみると今の僕の比喩の用だった。人の縁に蟠りを付けて戻れない事を知った。そして罪のように認識している。
「どうしましたか。ボーカル大希ですよ。」
これを歌うのかと思うと嫌な記憶を全て思い出してしまう。
「あわ。これさキー高いから日芳理歌ってよ。」
考えたその結果僕には歌えない。正確にいうと歌うのを避けた方が良いのだが。
「…そうですね分かりました。言い出した私が引き受けましょう。」
安堵する。ただでさえもう過去を振り返っているとまた間違い探しをするだろう。それは途方にもなく冬のように寒い。
「…あもう合奏しましょうよ。」
…一通り合奏できたけど今まで犯した罪の数々が僕の背中をさすった。どこかの誰かになってないだろうか。なれるわけ無いか。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます