首の皮一枚繋がった現実
悪夢
「…嫌。」
僕は夢を見ていた。…おそらく分岐点であろうそんな日を。あれから僕は忙しなく時を過ごした。もう終わってる事を考えても無駄ということに気がついた。…そう思い込ませられたらどれだけ楽なのだろう。…うんとここは自宅では無い。日芳理の家だ。
「どうしましたか。だいぶ魘されていましたが。」
「いや…悪夢を見ただけ。」
「そうですかなら良いんですが。あ、どうしますか今日の夕食は何が良いですか。」
「僕が作るよ。台所貸してよ。」
「はいどうぞ。お願いしますね。」
こうしていないとまた振り出しに戻ってまう。日芳理にも悪いのでこうして気を紛らわしている。さて何を作るか。
「…う。甘いです。」
え、そんなはずでは無い。ちゃんとレシピどうりに作ったはずだが。食べてみて分かった。
「悪い。砂糖と塩間違えた…面目ない。」
「まあ食べれるから良いですが。どうしたんですか。さっきから様子が変ですが。何でも聞きますよ。」
「なあ蟠りが出来たらどうするのが正解なんだ。」
僕はどうすればいいのかが分からない。勿論だがこうしているのが幸せだと思っている。…しかし時々こうやって考えてしまうのだ。
「……何か意味深だね。そんなに過去に戻りたいの。」
少しだけ怒っている口調になってタメ口になっていた。誤解を招いてしまったようだ。どうにかして解かないとこの間の二の舞になってしまう。……しかし蟠りを解く方法が分からない……。
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