旧日
動揺
僕はさっきの事を隠して待ってくれていた日芳理のどこに行く。かなり待っていてくれたので怒っているだろう。
「ごめん。遅れた。」
「私は大丈夫ですが、何かありましたか。顔がひきついていますよ。」
「あ…そう。」
激しく動揺をしてしまった。…やらかした。絶対に聞くだろう。
「…まあ待ってる間も楽しかったですけど。じゃあ勉強会しますか。」
だめだ。やっぱりへばりついている。なんだか常に悪いと思っているが、完全に忘れられていない。
「今日は何からが良いですか。」
そう明るく話しかけてきてくれた。色々と考えていたので。無愛想に言ってしまった。
「…。なんでも良いよ。」
日芳理は少しだけ驚いてびっくりしていた。しかししばらくしてまたいつものように笑っていた。
「あ、なんかありましたね。全くこの日芳理様の目を盗めるとでも。」
「もういいんだ。…聞かないでくれ。」
そう僕は見つめている目を外した。
「さてとじゃあ気分転換でもしましょうか。紅茶かコーヒーかどちらがいいですか。」
正直言って気が乗らないが、日芳理に悪いので無理矢理答えた。
「コーヒーでお願い。」
「はい。分かりました。」
そう日芳理は笑って無邪気に答えてくれた。…また思い出してしまった。…もう辞めようと決断したのに。
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