一瞬の後悔

講義が全て終わり僕は帰宅準備をした。えっとやばいレポート書いてない…仕方ない今日は頑張りますか。図書館行くか。

図書館は生憎と誰もいない空間に近い。なのでいないだろう。僕は図書館に入った。ただ数えるぐらいの人がいてとても静かだった。僕は目的の本を探して借りようとした。……見ていないふりをすれば良いのだろうか。…………葛藤があった。まず琥珀に溝を埋めるために話しかけたいが怖かった。ますます険悪になるのが。…そしてこれ以上険悪になると取り返しがつかない事なる。僕はそう悟る。…日芳理にも悪い事をしているというのもあったからその場を離れる事をした。

もうあの頃には戻れない。…そう自分に言いながら帰って行った。図書館のドアを閉めるために振り返るとそこには哀しそうな琥珀がいた。この判断が本当に適切なのだろうか。…自分の出した答えに自信がない。…本当は溝を埋めたかった。そして険悪な関係を取っ払いたかった。こんなに一瞬の判断で後悔するなんて初めてだった。関係を元に戻すとは望めないけど、前みたく笑い合いたい。…そんなの無理か。……失い初めて犯した罪を知った。

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