孤独

あんな事を言ってしまったが出来る自信がない。…どうしたら良いのだろうか。考えてもまだだろう。なので今日も大希さんに話しかける。考えたって無駄なのだから。

「大希さん。…昨日聴きそびれたので。」

「悪いが日芳理さん…もう関わらないでくれもう誰も傷つけたくない。」

元気が皆無だった。

「そうですね。私は傷つけたって良いと思います。だって人間ですもの。…そりゃ取り返しがつかない事なんて生きてりゃ何回もあります。…もうそれは生き地獄みたいな。だから誰も悪くないです。…強いて言えば時が悪かったですね。」

「優しいんだな本当。こんな屑の人間に慰めてくれるなんて。」

少しは元気が出てきたらしい。

「…私知ってますよ。孤独感が嫌いな事。…視界に入っている時は常に誰かと行動してましたよね。友達さんとか琥珀さんとか。」

「その名前は出さないでくれ…もう忘れたいんだ。」

大希さんは嫌々と首を振る。好きなのにトラウマになっている。

「じゃあ私が忘れさせてあげましょう。…だから一緒にいたいですよね。」

「……お願いしても良いかな。」

そう重々しく言ってくれた。…やっぱりトラウマなんだなそう思った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る