隣り合う

後戻出来ない現実

昨日の言葉がとても耳に残ってるまま今日が来てしまった。なので講義がろくに入ってこない。ああ、駄目だ集中しろ。考査が近いんだから。現実を受け止めて…あそこで間違ってなければ…。時計を見るために前を向いた。うんなるほどあと六十分か。…僕は忘れようとして人を見た。…う。なんだろう。何故か自分の傷つけた事がある事をこれでもかと言うが如く確認して来る。そんなこんなでろくに講義を受ける事はなかった。

講義が終わり日芳理が話してきた。

「ろくに講義受けていないようにみえましたが。何かまたありました…琥珀と。」

「え、いや理解した。……はず。」

必死に誤魔化そうとした。もう忘れたそう僕に言い聞かせた。琥珀というワードが出てきたので動揺した。

「その顔は何かありましたね。何ですかネチネチしていると嫌われますよ。」

「もう…辞めて。」

色々と核心をつかれる。でも悪気があるとはとても思えない顔だから怒らない。

「さてと講義どうこうよりもちゃんと答え出してくださいね。…全くもう結構短気なんですからね。」

「なあどうすれば良いのか分からない。」

「…はあ。結論から言いますと。人間のわだかまりとかは解けません。例に出すと糸ありますよね。あれが絡まってしまうと珠なるじゃないですか。そして無理に解こうとして引っ張るとさらに取れなくなるじゃないですか。」

その現実を受け止めて戻れない事を再度悟らさられる。取り返しがつかない傷つけた事をした当然の報いだ。だけど……人生やり直して無かったことにならないかな。そんなことを思っていた。





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