遅かった気づき

琥珀と連絡が途切れてしまった。怒ったのかな。そんな事を浮かべる。…もしもうだとしたら本当に取り返しがつかない。送った文章を見返して考えていた。琥珀が返すのをやめた分を見ていた。…原因はこれか。…僕は琥珀と電話を掛けた。聞こえるのは独特の呼び出し音で、僕は待ち時間に謝罪を考えたりどうやって話そうかを考えた。その待ち時間は一分くらいに感じた。しかし聞こえるのは留守電音がする。明日謝罪をしたいので話す内容を考えた。

翌日僕は琥珀と話した。またあの公園で。

「…あ琥珀さん。この間気持ちを推し量ろうとしないで傷つけてごめんなさい。」

琥珀はあの時の顔をしていた。どこか哀しそうなその様な顔。

「ねえ私たち友達なんだからそんなかしこまらなくても良いよ。」

僕は言葉に詰まってしまう。…そしてまたこの嫌いな空気。

「ねえ大希。昨日さ、とりあえず聞いたんだけど日芳理さんから言い寄られたんだよね。実際はどうなの。」

「……そうだよ。でも今はどうしたいかわからない。そして今は誰とも関わりたくない。」

「そうか。じゃあね。」

そうあの時の様にその声が聞こえた。まっさらに白紙にできたらどれだけ良いのだろうか、しかしそんなこともできずに琥珀は帰っていった。

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