口論
気が付くまで怒りが優っていた。だってさ女の子と遊んでいるから。ああ気分が悪い。だから家に早く帰りたかった。…何でこんなことになったの。気づいた時にはもう遅い。喧嘩をした時だってそうだった。自分が望んでやった事だから仕方ないよね。私は楽しかった記憶を消そうとした。…何でなのだろうか、どうあがいても記憶が蘇るばかりだ。はあ。疲れてしまったので公園のベンチに座った。もうここには大希は来ない。
「琥珀さん少し私とお話ししませんか。」
そう言ったのは、日芳理さんだった。
「気が乗らない。」
私はそっぽを向けた。
「まあまあそう言わずに。そうですね、貴女が好きな大希さんの話でもしましょうか。」
「別に好きでもない。」
「じゃあ私が貰っても倫理的には問題ないですよね。」
「まあ確かに。…でもさ貴女に何がわかるの。大希の事何にもわかってないんじゃない。」
本心と偽って話した。こいつと話すと苛々が溜まる。
「私は先程伝えました。その私の恋心。まあ伝わったか分かりませんが。何か貴女の名前が大希さんから出てましたよ。なんか未だに、好きだとか言ってました。」
「…ふーん。そうなの…もう帰る。」
できる事ならやり直したい。けど……嫌いになってしまう。
「両思いなのに…何で別れたのですか。理解しかねます。」
「うるさい。少し黙ってくれないかな。何がわかるの。」
こいつは私の決して触れてはいけない琴線を握った。そして私は立ち去った。こうなったのも私の選んだ道だ。…けどこれで良かったのだろうか。
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