喫茶店
注文した料理が出てきた。
「優しいんだな日芳理さん。ありがとう。」
「いえいえ何か落ち込んでいたのでそんで何があったんですか。」
僕は昨日の事を嫌々話した。
「そうですか。それは災難でしたね。所謂失恋というやつですか。」
「そうなんだよ。…ああ。」
「時が何とかしてくれますよ。時間の流れでその痛みも和らぎますよ。そう言えば何で喧嘩をしてしまうからそうしたのでしょうか…お互いに好きなんですよね。」
「…言いなくない。」
頼んだコーヒを飲んで誤魔化す。
「はあ分かりました。そういえばケースは違いますが私にもありました。」
「えっと聞いて良いかな。」
すると少しだけ日芳理の顔が紅潮した。
「えっとですね。大学入って恥ずかしながらある人が好きになりました。…それでですね。その人に彼女さんがいることを知りました。もうあんな思いはしたくないから今もこうして後悔しないようにしています。」
なぜか意味深な事を言う。
「……。良い人見つかると良いね。」
そう言うと日芳理さんは少し苦笑した。
「鈍感なんですね。…琥珀さんもさぞお困りだったのでは。私が好きになったのは大希さん貴方です。そして今もです。」
「え、そうなの。」
思わず飲み物を吹き出しそうになる。
「まあ候補に入れてみてください。返事はいつでも良いですから。」
そう言って店から出た。…しかしあまりにも昨日の事が重くて考える余力がなかった。
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