1.「なろう系」と「異世界転生」
さて、一発目にこれかという感じですが、まあ最初に目を引くものがあった方が良いでしょう。既に自著でも色々書いた「小説家になろう」と、「異世界転生」のお話。両者が全くのイコール記号で結べるものではなくて、今の潮流はむしろ異世界転生ではないんだといった類の話は今回もまた脇に置きます。何故なら今回の話はあくまでアニメ化作品に関するものだからです。
ひとつタイトルをあげるのであれば、『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜』の連載開始は2013年(ちなみに最近二期が発表された『転生したらスライムだった件』も同時期)です。その為今現在の潮流を分析する事は、現在のアニメ化作品を見る上ではあまり意味がない(数年先を見る為には有用かもしれませんが)という事になります。まあ、だから何だと言われればそれまでですが。
さて、そんな「異世界転生」ですが、今期も数作品存在します。ただ、その中で一番高評価を出した『旗揚!けものみち』は別に「小説家になろう」から出てきた作品ではありません。一応「小説家になろう」出である暁なつめの作品であることや、作者の知名度が既に高いことなどを考えると共通点が無い訳ではありませんが、純粋な「小説家になろう」産ではありません。
では「小説家になろう」出の作品はどれかというと『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜』『慎重勇者~この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる』『私、能力は平均値でって言ったよね!』の三作品です。詳しい感想は個々の記事を見てもらうとして、自分の出した評価は上からB、C、C。自分が創作として売り物になる以上、最低限超えてほしいと思っているラインがB。上記の評価は一話時点での話になるので、もし全話見たとすれば(見る事は無いと思いますが)、全て及第点以下になる可能性が高いでしょう。
勿論、作品は人によって評価が変わるものです、ただ、あれだけ「PV数が凄い」だのなんだのと言って担ぎ上げられている「小説家になろう」から出てきた作品がこのレベルだとうーんという感じ。アマチュア作家のプラットフォームとして「小説家になろう」という場所が良いものであることを否定はしません。ただ、そこでPVを稼いだからといって質が高いかと言われると微妙だねというのが自分の結論になります。
よく「異世界転生」に怒りの矛先が向きますし、実際「異世界転生にしなければ良いものがかけただろう」という人は結構見ます。ただ、それよりは「素人の読者に人気だからといって質が担保されるわけではない」というのが結論なのかなという感じがしました。最初のころは良かったのかもしれないんですけどね。書く方も探す方もPVを稼ぐという一点だけを見つめた結果がこれなのかな、と。本当は見出す側がふるいにかければいいだけなんですけど、多分してないんだと思います。
【参考】
『何故”なろう系”は嫌われるのか?』(URL:https://kakuyomu.jp/works/1177354054889523764)
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