第17話
僕を気づかって、僕の体力に合わせて進んでくれているから、とにかく進みが遅い。心苦しく思っていたら。
ギルベルトは気にする必要は無いって、急ぐ必要は無いからって言ってくれて、とても優しいんだ。
今日はすでに最初に言っていた3日目だ。あと2、3日で着くだろうってギルベルトは言ってたな。ホント遅過ぎて申し訳ない。
移動中にギルベルトといろんな話をした。
その中でも番の事について。
僕はギルベルトの番なんだって。番とは15、16歳頃、少しずつお互いに番だと気づき始め、20、21歳頃に正式に番うのが一般的な流れなんだって。
隣の国の人だったり、幼馴染だったり、それぞれ全く違うらしい。
番ったら死ぬまで一緒なんだ。
しかし、ギルベルトには一向に番が現れず、気配もない。だが、焦りは無かったと言う。身体なのか心なのか、とにかく奥底で繋がりをずっと感じていたんだって。
そして、ある日突然、番を求め心が急にざわついて、居ても立ってもいられず、番探しに出る許可をもらい、旅に出た。
そして砂漠で倒れている僕を見つけたと言う訳だ。あてもなく旅に出て、もう三ヶ月になろうかという時だったって。
番はお互いにしか分からない、良い匂いがするそうなんだ。
だからいつもギルベルトがクンクンしてたんだな。僕、臭いのかと思ってたよ。
臭いんじゃなくてよかった。
でも、僕はギルベルトの匂いは分からないんだよね……。だから僕の中で番のことは半信半疑だ。
自然と少しずつ気づいて、確信するものだから、そのうち分かるよって言われた。本当かな?僕であってるのかな?
僕は、花の濃厚な香りと、濃くなると甘い匂いが強くなるんだって。
自分じゃ全然分からないや。とにかく、ずっと嗅いでいたい匂いなんだってさ。
それにしても、初めて聞いた感がすごくする。番なんて意識したことあったかな?
あ!あとルゴラ!不思議な通信装置。
あの時に話した人は、ギルベルトの隊の副隊長でランバーさんって言う人らしい。ギルベルト本人より、ギルベルトの番問題を気にかけていたらしくて、何かにつけて大袈裟に騒ぐから辟易していたんだとか何とか言ってたけど。
慕われてそうだったよ?
そんな話をしながら、少ししか進めず。今日はここにテントを張るみたい。
僕も慣れてきたよ!よし。テントを準備しよう!
テント生活楽しいなー!
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