第16話

 ここ最近の俺は、毎日幸せ過ぎる。

散ることのない幸せの花が咲きみだれている。


 ハニーにずっと上に乗っていて欲しかったのだが、もう時間切れの様だ。

 だがしかし!今日の俺の胸にはハニーの愛が広がっている。いつもの俺とは大違いだ!

 嬉々たる俺に、何故かハニーから謝罪され、着替えを望まれてしまった。


 まあ良い。この広がる愛はこのまま保存しておけば良いな。


 それでは、とても名残惜しいが、ハニーの寝衣を着替えさせよう。これは俺のみが見てもいいハニーの姿だ。帰ったらまた着て貰おう。そして、脱がせて……ゴグフォ

 いかんいかん。白昼夢か!妄想でもハニーの魅力は凄まじいな。


 ん?ハニーが何やら思案顔だな。この隙に今日の服を着せてしまおう。

 

 これは背後の留め具が飾りも兼ねていて、少々凝っている為に、着るのにも脱ぐのにも、自らは出来ない誂えだそうだ。俺の目的にピッタリの服だろう。

 ハニーの可憐な姿しか思い浮かばなかった。こんなに心の弾む事など今まで有っただろうか。否。言い切れる。俺の知らなかった俺をハニーが引き出してくれるのだ。何と尊い存在なのだ!


 グゴホッッ。これは!このハニーの姿は……もはや犯罪が起きるやも知れぬ危うさだ!

俺の番恐るべし。何処まで登り詰めるのか!ハニーの魅力が底知れぬ。


 何だ?どうした……?何が起きたのだ?


 俺はハニーに何でも言うことを聞い貰える様だぞ!どんな事でも良い様だぞ!

 ハニーが俺の服の腹の辺りを両手でぎゅっと掴み、俺の目をしっかりと下から見上げて、クビをコテッとしたのだぞ!!


 ほぉぅ。あぁぁ。ふふふ。いいのかい?


 何でもかい?どんな事でも?どんな事でも良いとハニーが言ったんだからね?イヤは聞けないよ?フフフっ。グォフフっ。それでは、まずご主人様と言ってごらん。

 ほら、ほら、ハニー。


 おや、ハニー何処に?


 まあ良い。もう確約は貰ってあるのだから焦らずともいいさ。


 ジェネシスと戯れるハニーの姿……ずっと見ていられるな。


 今日もこよなく愛らしい。


 ハニーはどんな願いも聞いてくれる。


 俺の願いを聞き届けてくれる……。


 ふはははははっ!


 ついに!俺は無敵になった!!




 朝からポンコツのギルベルトだ。手がつけられない……。


 


 


 




 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る