第11話

 今は森の中でお昼休憩。


 ギルベルトは無駄のない動きで準備中。


 僕はフワフワジェネシスの、お腹に横になっている。

 サワサワと心地良い風が木の葉を揺らし、樹々の隙間から柔らかくキラキラ光が差し込んでいる。

 絶好のピクニック日和で、とても心地いい。なんなら木登りなんかもしちゃったりしちゃわなかったりだろうとも。

 

 なのに!僕はもうダメだ……。

 

 出発してからたったの半日!しかも、途中に1回休憩を挟んで貰ったのに!

 

 もう動けない。と言うか、普通に座る事すら出来ない……。


 自分の貧弱さに打ちひしがれている最中なのだよ。ほっといてくれ……。




 「待たせちゃったね。さあ食べよう」


 ギルベルトが迎えに来た。笑顔が輝いている。

 木漏れ日の中のイケメン。後光がさしてるよ。

 この抱っこ、甘んじて受けよう。なにを隠そう僕はもう動けない!

 僕の身体は、もう僕の言う事を聞いてはくれないんだ!


 「何から何までさせちゃって。ごめんね」


 「フフッ何も謝る必要なんて無いんだよ。ハニーは約束してくれただけなんだ。俺に全て任せると。それだけでしょ」


 チュッチュ。チュッチュ。

 そして、ほっぺとほっぺのスリスリ頂きました〜。はいどうも〜。


 一人では座れもしない僕は、ギルベルトの膝の上に抱えられながらご飯を食べた。

 デザートまであるんだって。はぁ。もう何も言いますまい。


 「これはね、ケルフランク名物のお菓子なんだよ。美味しくてとても人気なんだ。気に入ってくれるといいな」


 白くて、丸くて、少しプニプニ。ひとくちで食べるにはちょっと大きいかも。


 ガブッとかみついた。中にトロッとした甘いハチミツ?の様なものが入っていたみたいだ。

 口の端からからタラーっと手を伝って、うでの方へ……。

 (あっ!零れちゃったよ。食べる前に教えて欲しかった)


 なんて思った時には。


 ペロっと舐められていた。ギルベルトに。口元までも!


 はひょ〜。ふぉぉ〜。


 ダメでしょ?いいの?いいの??そんな事して!?


 「俺にも御馳走を食べさせてくれて、どうもありがとう」


 おぅっふ。後光さす、いい笑顔……。


 色々と、ごちそうさまでした……。


 

 




 


 

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