第7話
あのまま、ぐっすり朝まで眠っていたみたいで、もう体調もすっかり良くなった。
なのに僕は部屋で留守番だ。
あの金髪イケメンさん、ギルベルトって言う名前らしいんだけど、まだ心配だから部屋で休んでいて欲しいって。
すごくすごく、まだ体調をとにかく心配するもんだからさ。
本当はさ、とても迷惑を掛けたし、ずっとお世話になりっぱなしで……。
だって、とにかく何でもやってくれちゃうんだよ。
だから荷物持ちでも何でも、お礼になる様な事がしたいと思ったんだ。
だけどこんな弱っちい僕が、そんな事言ったって困らせちゃうよな。
何せさ、ギルベルトってすごく大っきいんだ。僕の身長なんて胸ぐらいだった……。
いや……ウソデス。胸にも届いてませんでした。
当然のように筋肉もガッシリ。
それなのに僕なんかが行ったって、荷物持ちになんてなるわけが無いよ。
お礼をするにはいったいどうしたら良いんだよぉ。
(さぁて、ハニーに必要そうな物はだいたい揃えられたな。心苦しかったがやはり一人で来て正解だった。他に着替えが無ければ着てくれるだろうからな。さぞ可愛らしい事だろう。
よし。あまりハニーを一人にしたくないから、早く帰るか。
明日帰国する事が決まった事も知らせ無くてはな。
そうだこの国名物の菓子も買って行こう。
喜んでくれるだろうか)
裸で倒れていたので、当たり前だが何も無い。ギルベルトはこれ幸いとばかりに、自分の願望で全てを選んでいる。
間違いなく、自分ではまず着ないであろう装いの物ばかりを、次々手に取っては斜め上を仰ぎ、ニタッと笑う。そんな気持ち悪いループはギルベルトが満足するまで続いたのだった。
残念イケメン全開さに軽く周りが引いていたのは言うまでも無い。
※害は与えません。浮かれ過ぎで多少色々漏れ出てはいますが、そっとしておいて下さい。
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