第10話 散歩問題解決?

 散歩を嫌がった理由が予想外で私は驚いていた。


『聞いてよ!!心愛ちゃん…』


『うん』


 顔にシワを寄せたまま何があったのかを説明してくれた…私は話を聞きながら落ち着け~と体を優しく撫でるのであった。


『それでね…!!こうだったわけよ…』


 私はうんうんと頷きながら話を聞くのであった。


 まぁ、話をまとめると光君に服がダサいと言われてイラつき散歩に行くと光君に合うと思ったから散歩に行かなくなったようだ。


『ヒドイでしょ!!せっかく飼い主さんが選んだ服をバカにされて私は許さないわ!!』


『そうだよね…』


 さて、どうしようかなぁ…このままだと運動不足で肥満になってしまう!!人もそうだが肥満になると病気になりやすくなってしまうのだ。


『そうだ!ストレス発散にお散歩行かない?豆ちゃんお散歩好きだよね?』


『散歩💕』


 おっ!めっちゃ反応しているぞ~♪くるんとした尻尾がブンブンと左右に揺れている。


『いつもの散歩コースじゃなきゃいいわよ!光くんに会いたくないのよーー!』


『そうだね!ちょっと遠いけど川の散歩コースはどうかな?』


 私がよく行くワンちゃんコースの1つを教えてみた。


『川の散歩コース💕楽しそう~♪』


『お待たせして悪いわね!あら~豆ちゃん元気になったわね』


 小林さんはお茶とお菓子をテーブルの上に置いた。


『すいません!ありがとうございます』


『いいのよ!お隣さんから物だから食べてちょうだい』


『それでは遠慮なく!!いただきます~♪』


 学校終わりでお腹が空いていたから、用意してくれたお菓子をあっという間に食べてしまった。


『豆ちゃん元気になったね~心愛ちゃんが来たのが嬉しいのかしらね?』


 私がお菓子を食べている間に小林さんは豆ちゃんを撫でていた。


 さて、どうやって説明をしたらいいかな~?散歩コースを変えたらいいと言おうにも説明がいるよね??私は悩んだが豆ちゃんの健康がかかっているんだと自分にいい聞かせて話を始めた。


『あの~!小林さん!!』


『あら、どうしたの心愛ちゃん?そんなに改まって』


『実は豆ちゃんの様子を見てて思ったんですが散歩コースを変えたらどうですか?』


『散歩コースを変えるの?』


 散歩というフレーズが聞こえたからか豆ちゃんは鈴木さんの周りをぐるぐると周り始めた。


『豆ちゃん散歩コースを変えたいの?』


 豆ちゃんに質問すると豆ちゃんは大人しく鈴木さんの前で止まって鳴いた。


『ワン!ワンワン!!』


 おそらく動物の声が聞こえない鈴木さんにはワンとしか聞こえないだろうが何かを感じ取ったようだ。


 ちなみに私にはしっかりとこう聞こえた。


『うん!行きたい!!』


『そうなのね…散歩コース変えてみようかしらね?心愛ちゃんはいいところ知っているかしら??』


『少し遠くなるんですけど川の散歩コースはどうですか?道は整備されていますしよくワンちゃん達がよくいるですよ!』


『じゃあ明日からそこに行ってみようかしらね!意外と近いから平気だわ』


 よし!これで豆ちゃんの事も解決したのかな?服問題は解決していないが運動不足は解決出来たよね?それに、ファッションは人も犬もそれぞれ好みもあるし本人が着たいと思う服を着たらいいと思った。


『そろそろ返りますね!遅くまですいません!』


『あら!こんな時間なのね…本当に今日はありがとう』


『いえいえ!力になれてよかったです』


 私が返ろうとすると豆ちゃんが足元にやってきた。


『返っちゃうの??』


 うっ!!うるうるの瞳で見上げてきた…さっきまでブンブンしていた尻尾はダラーンと元気がなくなった。


『また散歩コースで会おうね!』


 私は思いっきり撫でて私は帰るのであった。


 その後の話では豆ちゃんは川の散歩コースが気に入り毎日元気に散歩しているそうだ。


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