第4話 イケメンともふもふ【前編】
突然ですが…目の前にアライグマさんがいる。
アライグマといえば…国民的アニメを思い出すだろう!!あの黄色?で少年と暮らすアライグマのラ○カル。
アライグマってこんな色なんだ~♪思ってたより色は暗めで爪は頑丈で固そうだ!このアライグマさんは赤い首輪をつけてる!!毛並みはとてもキレイだから飼われているアライグマみたいだ。
飼われているアライグマさんならもふっても平気かな??もふりたい…もふるなら飼い主さんの許可が必要だよね。
飼い主さんはどこにいるのーー!?回りを見ても人はいないようだ。
私はどうするべき?飼い主さんがいないし逃げるorアライグマを撫でる貴重な体験だからとまずはこの能力を使って話しかけてみる。
悩んでいるうちにアライグマさんから話しかけてきた。
『あら、可愛いお嬢さんね?』
『こんにちは!アライグマさん』
恐がりながらも挨拶した。
あれ?人馴れしてるのかな?…これなら急に襲われる心配はないかと安心した。
『私の言葉がわかるのね?動物と話せる人間なんて初めてみたわ!!』
アライグマさんは自分と話せる人間が珍しいようで目をキラキラさせて興味津々な様子だ。
『私の名前は心愛と言うの!よろしくねアライグマさん💕』
アライグマさんに向けて手を出した。
『親切にありがとう!!アライグマさんじゃなくて私の名前はハルよ』
『気軽にハルって呼んでね~』
アライグマさんは手を出して握手してくれた。
私よりも小さい手でとても可愛い💕フレンドリーな所もポイントが高いですよ。
『ところで心愛はここで何をしてるのかしら?』
顎に手を置いて考えるポーズをしている。
可愛い💕ーー!めっちゃ可愛いです!尻尾はもふもふしててたまりません…ヨダレがたれそうになったのを私は慌てて袖でヨダレを拭いた。
『あらまぁ…ハンカチあるから拭いて!』
ピンクの可愛いハンカチを心愛にさしだした。
いったいどこから出したの??サイズは私たちが使うハンカチよりは少し小さい!子供がポケットに入れてるサイズだった。
『こんな可愛いハンカチ使えないよ~』
ヨダレをふいたら汚れちゃうよ!こんな女子力が高いハンカチを貸そうとするなんて、ハルは女神様かな?とにかくいいこだ。
『いいから!』
ハルは私が拒否するのを止めて口を拭いてくれた。
『これでキレイになったわよ!』
ハルは口を拭けて満足そうだった。
『ハル!ありがとう💕』
優しいハルに私の心は癒された。
『それで?何でここのいるの?』
そうだ!私は水口君にきてと言われた場所に向かっていたのに…私は迷子になってしまった。
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時間をさかのぼると約1時間前。
『心愛~♪今日は午後あいてる?もちろんあいてるよね!』
今日の授業は午前で終わりだから~♪これからどうしようか悩んでるところに望がやって来た。
『別に何もないけど?』
『そっかぁ~!じゃあさ頼みがあるんだけど』
望がニヤニヤとこちらを見てくる。
望がニヤニヤするときは何かをたくらんでるときが多い…何か嫌な予感がする~!!
『ごめん望やっぱり用事があるから…』
準備してた鞄を持って教室から出ようと走る。
『あっ!ちょっと待ちなさい~!!』
私の逃亡は一瞬にして終わった…たった3歩で望に止められてしまった!!なんて反射神経なんだ。
『さっきは用事ないって言ったよね?私の頼み聞いてくれたら、普段はもふもふ出来ない動物をもふれるかも知れないわよ?』
『えっ!!何の動物??』
私の耳は普段はもふもふ出来ない動物に惹かれてしまった~!どんな動物かな?普段はもふもふ出来ないって事は貴重な動物なのかな?私の頭の中は疑問だらけになる。
『それは行ってたからの秘密よ~♪それじゃあ頼みを聞いてくれるのね?』
『はい!望様~♪』
もちろん行かせていただきますとも~♪早くあいたい!どんな動物にあえるのかワクワクだ。
『それならよかった~!これを渡すように言われてね!この手紙を読むのが私からの頼みよ』
私に1通の手紙を渡して望は教室を出ていった。
手紙?誰から??後ろを見たら水口瞬と名前は書いてあった!!まさかの人物に私は驚いた。
まさか、学年1のイケメン君から手紙を貰うなんて思いもしなかった。
スーハー…スーハーと2回大きく深呼吸をして、気持ちを静める。
手はプルプルと震えている…プルプルするに決まってるじゃん!だって学年1のイケメン君からの手紙だよ?もしかして…ラブレターかも知れないじゃんと期待を胸に手紙を開いた。
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鈴木 心愛さんへ
まずは、急な手紙を許して欲しい。
LINEを交換してなかったから、古風だが手紙を書かせてもらった。
おそらく急に手紙を渡しても君は見てくれないだろうと友達の望さんに頼んだ。
先日は、体調が悪いところ助けてくれてありがとう。ぜひ、お礼がしたいので明日の14時に○○市○-○-○の住所にきて欲しい。
君がもふもふが好きと望さんから聞いたので、俺の家にいるもふもふと一緒に待っているよ。
水口 瞬より
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手紙の内容は残念なからラブレターではなかった!!別にきたいなんてしてないもん…少しは可能性があるのかなぁ~と思っただけだ。
う~ん?私はいつ学年1のイケメン君を助けたんだろう!!はっきり言って何にも覚えていない…助けたらあんなイケメンだから覚えてるはずなんだけどなぁ~!!水口君の人違いだと思う。
でも、とりあえずは指定された場所に行かないとね!人違いとだと言わないとだし…それに一緒に待ってるという動物が気になる。
家にいるって事はワンちゃんかネコチャンかな?どっちにしろイケメン君に会えて動物をもふれるなんて幸せだ。
検索アプリで指定された場所を入力した…場所は少し遠い森?キレイなログハウスの写真が出てきた。
バスで約15分…森の方を歩いて行くと着くみたいだ~!!気分はハッピー♪今ならルンルンとスキップ出来る。
そんな、ルンルン気分も森に入ると消えていった。
『ここはどこなの???』
さっきまでは電波が入ってたのに…電波が入らず圏外になってしまった!!もちろんスマホの地図アプリも使えない。
回りを見ても木…さっきまでは明るかったのに少し暗くなった気がした。
ガサガサ…ガサガサとどこからか音が聞こえた。
森だから…熊とかいるよね?鈴とか持ってきてないどうしよう!!どうしたらいいかわからず頭はパニック状態だ。
ガサガサ…ガサガサ音はどんどん心愛に近づいてくる。
私はもう終わりだと目を瞑った。
覚悟を決めて目を瞑ったのに一向に襲われた感じはしない…おそるおそる目を開けた。
そこには!アライグマさんがいた。
そして、冒頭に戻るが自己紹介をして仲良くなったんだ~♪ヨダレを拭いて貰ったことは秘密よ!!迷子なのは変わらないけど…。
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