第5話 イケメンともふもふ【後編】
※前編の続きとなります!!前編を読んでいない方はぜひ戻って読んで下さると嬉しいです。
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『迷子なのね?』
『そうなの…ここのログハウスに向かってるんだけどね!道?森の中を迷ってね』
スマホでスクリーンショットしていた写真をハルに見せた。
ハルは知ってるかな~?淡い期待をしながら返事を待った。
『心愛ちゃんはここに行きたいの?』
『うん…ちょっと約束があってね!行かないと行けないの』
本当はちょっと行きたくないけど…水口君に手紙でお礼とかたぶん人違いだと思うから、ささっとそれを説明したい!!そうしたら、水口君と一緒にいるもふもふさんをもふらせて欲しいのだ。
『はぁ…』
『あのね…心愛ちゃん!!』
『うん…なあに?やっぱり知らない場所かな』
ちょっと期待したけど…やっぱりハルは知らないかな?とりあえず道路までは知ってそうだから教えて貰わないと会う約束の前に森で遭難してしまう。
『もうほとんど着いてるよ!!』
『えっ????』
『どういうこと??詳しく説明して~!』
まさかのどんでん返しだ!これから森の中をひたすら歩くと思いきやもう着いてる??ハル早く説明をプリーズです。
『ここから心愛ちゃんが見せてくれたログハウスまで後3分ぐらいだよ!ここはね私の庭なの~♪』
『本当!?えっ…庭なの?』
森じゃないの…こんな広い所が庭?てことはハルの飼い主は水口君なの??衝撃の事実を知った。
『飼い主さんが作ってくれたのよ~♪何でも運動するのは大切だからって』
『そうなんだね~』
水口君ってお金持ちなのかな??こんな広い庭を作るなんてすごい!!とにかくログハウスに行かないといけない。
『ログハウスまで案内してくれない?』
『いいわよ~着いて来てね!』
『は~い』
ハルが道を教えてくれた。
さっきいた所から木を抜けて行くと木に囲われたログハウスが見えた。
『ここだよ~!心愛ちゃん~♪』
ハルがログハウスを指でしめした。
『あっ!ここだ!!』
『ようやく着いた~!』
ほっとした…だってあんな森の中にいたんだよ~!!ようやく着いた。
『心愛ちゃんは飼い主さんに用事かあるの?』
『えぇ…たぶん飼い主さんだと思うけど』
『それなら呼んできてあげるね!!』
私が止める前に犬とか猫ちゃん用の扉を使って中に入ってしまった。
『えっ??ちょ…とまって』
私は扉の前で待ってればいいのかな?チャイムがあるけどならせばいいのかな??考えていると玄関が空いた。
『心愛ちゃん!お待たせ~』
ハルは水口君に抱えられて出てきた…やっぱり飼い主さんは水口君だった。
『鈴木さん!わざわざ遠い所からありがとう』
『えっーと!水口君だよね?』
玄関から出てきた水口君はいつもと違う雰囲気だった…いつもはチャラ男で髪の毛は遊ばせているのに今は髪の毛は自然に下ろされていた。
そして何より服装が違う!!いつもはブランド物の服を着てるのにラフなえり付きのシャツにチノパンをはいてる…雰囲気も近寄りがたい感じはなく清家感のある好青年って感じだ。
『うん!立ち話もなんだから中に入って』
『おじゃまします…』
中に入ると木を使った家具が置かれており木のいい香りがした!ソファの上にはピンク色の座布団が置いてあったりピンクの膝掛けがありハル用な物が置いてあった。
あれはハルが使うのかなぁと見てた。
『鈴木さんはここに座っててお茶の準備をしてくるから』
『いえ…!おかまいなく』
『お礼がしたいんだ!!すぐ持ってくるからまってて』
水口君はキッチンの方へと行った…残ったのはハルと私だけだった。
『いい飼い主さんでしょ?たまに変な服を着せてくるけどそれ以外は美味しいご飯をくれるし撫でてくれるから大好きなのよ』
『そうなんだね~』
私はソファに座ってハルを撫でる…もふもふしてて気持ちいいなぁと和んでいた。
ガチャと扉がを開けて水口君が入ってきた。
『お待たせ~鈴木さんは紅茶平気かな?』
『うん!平気だよ』
テーブルの上に紅茶と真ん中にイチゴジャムが入ったクッキーを置いた。
『あっ!ハルが大人しく撫でられている』
ハルが撫でられてる姿を見て水口君は驚いていた。
『普段は人見知りで他の人には撫でさせてくれないのに…鈴木さんはやっぱりなれているのかな?』
『そうだね~!たくさんもふもふ達を撫でているからね』
本当は動物と話せるから撫でさせてくれるなんて言えないよ~!だって言ったら変な人だと思われるもん。
『そっかぁ~!やっぱりテクニックが必要だよね』
『ハルはここを撫でられるのが好きみたいだよ』
私はハルの背中を撫でる。
『そうなのよ~!普段は背中が届かないから気持ちいい』
ハルは気持ちよさそうにしてる。
『へー!ハルはそこが好きなんだね』
ハルが気持ちよさそうにしてるのを見てなるほど~と頷いていた。
『そうだ!話しは変わるけど駅で助けてくれてありがとう』
律儀にペコリと礼をした。
『たぶん人違いではないかな?』
水口君を助けた記憶はないんだよなぁ~?駅でってことはどこの駅かな?う~ん…記憶にないのだ。
『いや人違いじゃないよ!◯◯の駅でさ椅子にぐったりしてる俺に水のペットボトルと頭痛薬くれたよね?』
『あっ!あれが水口君??』
あれがってつい失礼な事言っちゃった…だってサングラスに黒いマスク、スウエットみたいな姿でふらふらしてたからつい水と頭痛薬をあげたんだ。
『無理もないよね…あんな姿だったし!!体調が悪くて病院に行く前だったんだ』
私に訳を話してくれた…大変だったよね?熱の時に1人だとつらいよね!!病院に1人で行かないと行けないし、ご飯も自分で作らないといけないよね。
ついでに、水口君の家族関係も教えてくれた…お父さんとお母さんはバリバリ働いている人で、今はマンションで1人と一匹(ハル)で暮らしてるんだって!!この家はハルと水口君がのんびり出来るようにお爺様がくれたそうだ。
なるほどねぇ~♪お爺様がお金持ちで孫の水口君を可愛がってるそうだ!!ハルは水口君がラ◯カルにはまってるときにプレゼントしてくれたんだって。
『そんなことない!体調が悪いときはしょうがないよ!体調はもう平気なの?』
『あれから鈴木さんのおかげで無事に病院に行けて今はこんなに元気だよ!それでお礼がしたかったんだ』
『そうなんだね!元気になってよかったよ』
最初は戸惑ったがハルをもふもふ出来たし満足だ。
『それでね…鈴木さんに見せたかったもふもふの子はハルなんだ!可愛いだろ?』
『うん!可愛いね!!』
ハルは本当に可愛い!今なんて私が水口君と話しをしてる間に撫でられて膝の上で寝ている。
『俺さぁ…学校ではチャラ男?で自分で言うのも恥ずかしいけど学年1のイケメンとか言われてるけど…本当は動物が好きでもふもふしたいんだよね』
『もふもふが好きなんだね?』
『やっぱりおかしいよね?こんなチャラ男?が動物好きなんてさ…ペットカフェとか行きたいけど回りの視線とか気にして行けなくてハルをもふっているんだ』
『そんなことないと思うよ!動物が好きだから優しそうな人じゃないといけないとかないし…気持ちが大切だと思うよ!!』
私は少しでも水口君の力になれたらとたくさんの話をした!厳つい人が猫を撫でてへにゃんと笑っている姿だって今では可愛いとか言われる時代なんだよとか…とにかく外見なんて関係ないんだと力説した。
『ぷっ!鈴木さんは面白いね~』
何をツボったのかわからないが水口君は爆笑していた。
『えっ!そうかな~』
『よかったらもふもふ友達にならないかな?たまに動物カフェとか言ったりもふもふについて語らないかな?』
『もちろん!!いいよ』
『じゃあ!これからよろしくね』
『こちらこそよろしくね!』
2人は握手をするのだった!ここにもふもふの会?が誕生した~♪パチパチ。
その後はお菓子と紅茶を頂きながらハルの事やもふもふについて語り合った。
私にもついにもふもふ仲間が出来たのだぁ~!!語り合える仲間がいるのは幸せだと思うのであった。
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