第2話 スズメちゃん
『はぁ……』
心愛は10分ごとに大きなため息をついてる…なんでこんなにため息が出てるかというと!今日はもふもふが出来ないからだーーーーー!
『心愛~♪なぁに朝からため息ばかりついてるのよw幸せが逃げていっちゃうよ!』
朝からハイテンションな私の友人…望だ。
『うん…おはよ』
『どうせ、学校が午後まであるから動物モフれないとか考えてるでしょ??』
望は探偵のように私の思ってることを当てたのだ…なんで当たるんだろうと考えていると。
『なんでわかるのか考えてるでしょ?だって心愛は顔に出るタイプだからすぐわかるよ!』
そっかぁ…なるほど!私は顔に出るタイプなのねと意味もなくほっぺたをムニムニと触るのであった。
『動物をもふもふしたいよーー!』
『叫ばんでいいわ』
望が下敷きで頭を軽く叩いた…なんて理不尽なんだ!ブーブーと言うのであった。
続々とクラスメイト達がやってくる…今日は4コマで朝から午後まで勉強だ…1コマ=90分だから合計で90×4=360分!つまり6時間勉強なのだ。
『はぁ…』
考えるだけでもため息が出てしまう…まぁ、さぼれるんじゃないの?と思うかもしれないが…甘いぞ君たち!!私のクラスは少人数で寝てると講師の先生に質問されるのだ!!1番後ろの席だからバレないと寝ていたら指されたのである。
寝なければいいのだか…!中学・高校のように先生は教えてくれないのだ。
講師はレジュメ(プリント)を配布して、パワポ(パソコン)を片手にひたすら話すのだ…!これが眠くならい方がすごいと思う。
はぁ…そんなことを言っても授業の開始時間はやってくる。
1~2限は生命倫理だった…あの先生は苦手なのだ!!なぜか?生命倫理は答えがないから何でもOKと言うけど自分の意見を言うとそうだね~とか言うが最後にはちゃっかり自分の考えをひたすら話すのだ。
生命倫理ってなに?難しそうと考える人がいたら補足だよ~!私がやった内容は赤ちゃんはいつから人なの?あなたは代理出産をゆるしますか?など生命について考えるんだ。
倫理とは簡単に説明するとルールみたいな物…辞書とかで調べると人間生活の秩序つまり人倫の中で踏み行うべき規範の筋道(の立て方)など難しく出てくる。
例で例えるとわかりやすいと思う!!私たちは日本で暮らす限り法律を守らないといけない、犯罪をしてはいけないなど…例をあげるならこんな感じだ。
少しでもわかりやすく伝わればいいなぁと思う…ついでに、最近の若者は倫理観がなっていないとか言う人もいるが、簡単にすると!最近の若者はルールがなっていないと言うことなんだ。
あくまでも、私の考えだから…参考程度にそうなんだ~ぐらいに聞いてほしい。
カッコよく生命倫理を説明したつもりだが、やっぱり暇なのだ!だんだん先生の講義は熱が入り初め生徒たちは話に置いてかれる。
先生…専門用語入れられるとわかないよ~!法律の名前とか、哲学の偉い人の◯◯さんとあたり前に話してるけど知らないよー!!っておそらく皆?思っているだろう。
だって、前の人達は夢の中?顔が見えないからハッキリとはいえないがコクリ…コクリと船を漕いでる人もいれば、顔をふせて完全に寝ている人がいる。
はぁ…暇だ~!癒しが欲しいよ!!こんな時は誰もが空を見るのだ。
私の席は窓側だから空は見放題なのだ~♪夏場は日差しが入り暑かったり、冬場はすきま風で体が震えるほど寒いが…こういうときに便利なのだ。
今日もいい天気で白い雲がゆっくりと流れている…あの雲は羊みたいにもふもふしてるなぁ~、あれは竜みたいでカッコイイ雲だぁ!!雲を見ながら動物の事を考えてしまう…。
『そんなに暇なの??』
『えっ!!』
急に声をかけられた私はビックリして、授業中にもかかわらず声を出してしまった。
『心愛さん?どうしましたか?』
先生以外は話さない静かな教室に私の声が響き…注目された。
『いえ…何でもありません』
『そうですか、それでは授業を続けますね』
いったいどこから声?がするのだろうと回りをキョロキョロするが、教室にはクラスメイトしかいない…あの声はいったいどこからするんだ。
『教室に私はいないわよ~♪よく探してみなさい』
私の心を読み!!返事をしてきた。
本当にどこ?教室じゃないって事は外??でも外から教室を見るって人じゃないよね…。
『あら…おしいわね!正解は木の所よ』
またあの声が聞こえた…声から推測すると女の子かな?とりあえず、声が言った通りに木をみた。
もしかして…窓から見える桜の木かな?
声がしたと思われる桜の木を見るが木しかない…木がしゃべってるの?私は動物とは話せるが木とは話せないよ~!!本当にどこから声がするのだ。
『まったく失礼ね!このプリティな私が見えないのかしら?視力が悪いんじゃないかしら』
いやいや、両目とも1.2でA判定よ!じっーと桜の木を見るが全然見つからない…ちょっとはヒントちょうだい!と心の中で願った。
『まったく、しょうがないからサービスよ』
桜の木を見てると枝の部分が動いた!よく見るとそこには枝の上でピョンピョンする小さなスズメがいた。
木じゃなくてスズメだったのね!木と話せるようになったかと思った。
『やっと見つけたはね~!時間がかかりすぎよ』
スズメの女の子?はよく見えるように窓ガラスの所まで来てくれた。
『どうかしら?貴方が暇そうにしてたからかくれんぼをしてみたの!!暇潰しにはなったかしら??』
お転婆さんのスズメみたいだ。
『お転婆さんではないわよ~!貴方が暇そうにしてたから相手をしてあげただけよ』
お転婆じゃなくてツンデレかな?それともお嬢様ですか??しかも、あれはかくれんぼだったのね…でも暇だったし可愛いスズメさんに出会えたからさっきの事なんて水に流しちゃう。
もう、我慢出来ないよー!!こんな、近くに可愛いスズメちゃんがいるのに…触りたい…触りたいよ~!!体がもふもふを求めているようで手が勝手にワキワキと開いたり閉じたりしてる。
この窓が邪魔だなぁ!ふふふ…ここはガラスを割ればいいのかな?いいんだよね??私からブラックのオーラが出てきた。
だって…もう限界よ!もふもふしたいんだ。
考えがどんどんブラックになっていく私に天使のひと声が聞こえた。
『そんなに触りたいなら…お昼に触ってもいいわよ?食パンをくれるならね!!』
しかも、食パンをおねだりとか可愛い💕お嬢様みたいな口調だから贅沢なパンをおねだりすると思っていた。
まさかのシンプルな答えがくると思わなかった…心愛は可愛いスズメちゃんのためなら食パンなんかじゃなくて、クルミとか果実が入ってる贅沢なパン買っちゃうよ~!ねぇ、どんなパンが食べたいの?私はスズメちゃんに質問した。
『どんなパン?食パン以外にパンがあるの?』
驚きの返答が帰ってきた…よし!たくさんのパンを買って可愛いスズメちゃんに食べさせて上げようと私は決意する。
今の時間は12時5分…授業終わりが12時10分だから残りの時間はあと5分となる。
空を見たり…スズメちゃんとのかくれんぼ?で結構な時間がたっていたようだ。
授業が終わったらダッシュで購買にパンを買いに行こうと鞄から財布を出し…先生の授業が終わるのを今か今かと待つ。
スズメちゃん!中庭の所にいてくれるかな?私はパンを買ってくるから…そうしたら、もふらせてねとスズメちゃんに話した。
『えぇ、楽しみにしてるわ~♪』
スズメに表情があるのかわからないが、楽しみにしていると笑っているような気がした。
目もキラキラさせていて…これは楽しみにしてるなぁ!頑張らなくてはと足に力を入れる。
チャイムがなるまで残り30秒…先生まだかなぁ~!私にはパンを買うという使命があるんだ。
『とりあえず、今日はキリがいいのでここまでにします…日直号令をして終わりにしましょう』
『気をつけ礼』
礼をすると私は誰よりも早く教室を出て、購買にダッシュで向かった。
___________________________________
私の学校は購買、学食がありお昼時になるとラウンジや食堂は学生で溢れて大変だ。
私は自炊派でお弁当を毎日作って持ってきてる。
朝寝坊をした時は購買のパンを買っている。
購買のパンは天然酵母を使用したふわふわなパンでクロワッサンや食パンとシンプルな物やメロンパンやクリームパン、焼きそばパンなど種類は豊富で毎回すぐに売り切れてしまうのだ。
だからこそ、私はダッシュしているのだ!!スズメちゃんに美味しいパンを食べさせてもふもふさせてもらうために頑張った。
結果は…メロンパンとクルミパンを手に入れた~♪本当は他のパンも欲しかったが、男子に持っていかれてしまったのだ。
私としては結構頑張ったと思うー!本当はもっと買いたかったが腹を空かせた男子には負けてしまった。
とりあえず…目的の物は買えたしスズメちゃんと約束した中庭へと向かった。
学校の中庭はベンチが置いてあり、ほとんどの人は使用していない…私のとっておきの場所なんだ。
『スズメちゃんお待たせ~!』
声を出して呼ぶと…スズメちゃんは木から飛んでベンチにおりた。
『あら、早かったわね~♪』
『うん、急いだからね!メロンパンにクルミパンを買ってきたよ』
私はパンをベンチの上に置いた。
『なにこれ?いい匂いがする!!!』
スズメちゃんの小さな目はキラキラと光った…どうやら、気に入ってもらえたようだ。
『でも…こんな大きなパン食べれないわよ?』
『それは平気よ~♪私が小さくちぎるからね』
私はスズメちゃんが食べやすいように、小さくメロンパンとクルミパンをちぎってベンチにのせようとすると…スズメちゃんはもう我慢出来なかったのか手に顔を突っ込んで食べ始めた。
『美味しい~!!』
スズメちゃんは夢中でパンを食べていく…可愛い💕手にくちばしが当たってたまに痛いけど夢中になって食べている姿はとても愛らしかった。
私もご飯を食べようと片手で弁当を器用に開けてご飯をもくもくと食べる。
くちばしが当たる事がなくなり…手にふわふわした感触があたったので、スズメちゃんにパンをあげていた方の手を見るとスズメちゃんが大きなパンの欠片を枕にして私の手で眠っていた。
可愛い~💕パンを枕にして寝てる。
手を少しあげて自分のほっぺにスリスリ…メロンパンの匂いがする!!満腹になって眠くなったのかな?スヤスヤと眠る姿は可愛かった。
今日はもふもふ出来ないと思って諦めていたが、可愛いスズメちゃんに出会えて触らせて貰えた。
とても、満足であるー!この後も授業はあるけど残りの時間スズメちゃんとのんびりすごそうと目をつむるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます