20話 王都へ
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是非、読んでいってください!
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ドラゴンが飛び去った後、残ったのは静寂だった。
その静寂を破ったのは師匠だった。
「なんだったのじゃ。あのドラゴンは。今まであんなに威圧してくるやつなんて会ったことすらなかったのに。」
「あのドラゴンは天竜族と言っていましたが、師匠は何か知っているんですか?」
「天竜族という言葉すら初めて聞いたわい。あんなのが何匹もいたら王国が終わるわい。」
そう言った後、師匠は家の方に目を向けてため息をついた後言った。
「あのドラゴンの攻撃の衝撃でこの家ももう住まないのう。王都の家に行くしかないかのう。」
「師匠、王都に家があるんですか?」
「私も昔は貴族だったからのう。王都に家があるのじゃよ。」
師匠はそういえばと言いながら、僕を見て言った。
「ルート、王都まで行ったことはあるのか?」
「はい、ありますよ。」
「王都までゲートを使うことはできないかのう。こんな家だと安心して眠ることすら危ういわい。」
僕は「やってみます。」と言って、ゲートを使った。
目の前にゲートが生成され、魔力のパスがどこかと繋がったことが分かったので、師匠に「成功しました。」と言った。
「それじゃあ、持っていくものだけ持って行くぞい。」
そう言って、師匠は家に戻っていった。
僕は鞄に荷物を詰めてあったのでそれを取りに行った。
大体10分後、師匠の準備が終わったようで移動することになった。
「それじゃあ、行くぞい。」
そう言って、師匠はゲートをくぐった。
僕も師匠に続いてゲートをくぐった。
ゲートを抜けた先は魔法師団の玄関先だった。突然現れたゲートを囲うように師団の人たちが立っていた。
オルグレンさんもいたので、僕は声をかけた。
「オルグレンさん、どうしたんですか?」
「なんだルートくんか。このゲートは君が作ったのかい?」
「はい、そうです。ちょっと色々あって師匠の家が壊れたので王都に来ました。」
僕がそこまで言うと、オルグレンさんが周りを囲っていた人たちに「戻っていいぞ。」と言った。団員たちは少し戸惑っていたが、師匠の存在に気づくと戻っていった。
「ここでは少し言いづらいこともあるかもしれないから、私の部屋で話そう。」
そう言って、オルグレンさんは歩き始めたので僕と師匠はついていった。
部屋に着いて、椅子に座っているとオルグレンさんがお茶を持ってきて話し始めた。
「これくらいしか出来なくて申し訳ないが、家が壊れたというのはどういうことなんだ?」
僕が答えようとすると、師匠がその前に話し始めた。
「私とルートが全力で戦っても倒せなさそうなドラゴンがいたんじゃ。」
「そんな馬鹿な。サリアさんならドラゴンくらい倒せるでしょう。」
「世の中、信じられないこともあるんじゃ。そのドラゴンは天竜族の長と言っておった。私は威圧感で動くことすら出来なかったわい。」
「そんなドラゴンがいたんですか...しかし、天竜族とは聞いたことのない名前が出たものですね。国王に伝えておいた方がいいかもしれませんね。」
「そうじゃな。あんなのがたくさんいたら、この国は滅びてしまう。」
「もしかしたら2人とも当時の状況やドラゴンについて国王に聞かれるかもしれないからいつでも王都に来れるようにしておいてください。」
そう言って、オルグレンさんは通信の魔道具を渡してくれた。
「これは貴重なものだが、君には必要だろう?いつでも王都に来れるんだから、家に戻っていいぞ。」
オルグレンさんに感謝しながら、僕は「それでは、さようなら。」と言ってゲートを使って家に帰った。
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後書き
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