13話 師匠の凄さ
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「ルート、考え事なんてしてないでお前さんの使える魔法を見せてほしいのう。」
師匠にそう言われ、まだ生活魔法しか使えないと答えたがそれでいいから使っているところを見せてほしいと言われた。
この世界では生活魔法というものがある。「ウォーター」「ファイア」「ライト」の3種類である。これらは魔法の適性がなくても、練習すれば大体の人が使うことができる。
僕もこの3種類は使うことが出来るので、師匠に見せることにした。
師匠は僕が魔法を使っているとき、決まって目を閉じていた。何故だろうと思いながら、師匠にどうでしたか?と聞いた。
「魔法の基礎に関しては特に問題はないのじゃが、魔法の効率が悪い。まだ、しょうがないがのう。いつの間に癖になっていて、直すのが難しいから今から心掛けると良い。」
「魔法の効率ですか...」
「今日は昼ご飯を食べてから魔法の効率についてやるぞい。これが今1番やるべきじゃ。」
僕は魔法の効率についてどうしたら良くなるのか気になっていたので、ありがたかった。
まだ11時ほどで少し早い気もするが、昼ご飯を食べることにした。
昼ご飯を食べているとノンが話しかけてきた。
(そういえば、ここら辺って精霊が多いの。朝行った湖とかにたくさんいたの。ルートは気付いてたの?)
相変わらず「の」や「べし」が好きな奴だと思いながら、今日の朝のことを思い返していた。
道に迷ってから必死に進み続け、湖についたが、それ自体かなり奇跡的なことで、もしかしたら精霊たちが僕の知らない間に導いてくれていたかもしれないと思えた。
しかし、精霊に朝気づいていたのかと聞かれたら、気づいていなかったのでノンには気づかなかったと答えた。
すると、ノンはこんなことを口にした。
(精霊たちと仲良くなると、精霊魔法を使えるようになることがあるから、気にかけておいた方がいいべし。)
精霊魔法は人よりも数倍の魔法の適性があってようやく使えるものなのに、もしかしたらとんでもないことを聞いてしまったと思った。
そこで、僕は疑問を抱いた。
精霊と契約しないと精霊魔法は使えないのかということだ。
なぜなら、普通は自分から精霊に代償を出して契約して力を使うものだが、精霊と仲良くなるだけで精霊魔法が使えるなら、そちらの方がいいのではないかということだ。
僕は昼ご飯を食べているが、師匠に聞くことにした。
「師匠、精霊魔法は精霊と契約しないと本当に使えないものなんですか?」
「そんなわけないじゃろう。精霊が自分を気に入ってくれれば力を貸してくれることもある。ちなみに私の精霊たちと私は契約してないぞ。」
師匠がすごくあっさりと言うので、僕は普通のことなのかと思い、師匠に聞いてみた。
「精霊と契約しなくてもいいことって結構知られていることなんですか?」
「そんなわけないじゃろう。私だって、最初は驚いたさ。精霊が面白そうだから力を貸すなんていきなり言ってきたんだ。」
それを聞いて、やっぱり師匠はすごいと思った。
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後書き
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