12話 師匠の魔法

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 僕はオルグレンさんが帰った後、師匠が待っている庭へと向かった。


「やっと来たか、ルート。それじゃあ、始めるぞい。」


 師匠が魔法を見せてくれるのでよく見ることにした。

 

 師匠が指を鳴らすと緑色の人型の精霊と赤色の獣型の精霊が出てきた。2匹の精霊が同時に片方が炎を、もう片方が風を出すと炎は消えることなく、より燃え上がった。

 そして、師匠が指をまた鳴らすと2匹の精霊は消えてしまった。


「これが、私の魔法の精霊魔法じゃ。他にも火属性と風属性と光属性の3つの属性を使えるが、これには及ばん。」


 これを見て僕は「すごい...」としかいえなかった。

 まさか師匠が精霊魔法の使い手だったとは思ってなかった。師匠は3種の属性が高いレベルで使えることから世界一の魔法使いとよばれているが、そのうえ精霊が2匹使えるとなれば、世間からの評価はもっと上がると思った。

 普通の人の魔法の適性が1とすると精霊魔法が使える人の魔法の適性は10程になる。

 普通の人の10倍、その魔法に適性がないと精霊と契約して精霊魔法を使うことはできないので、師匠は本当の化け物だと思った。


「ルートなら、このくらいいずれ出来るようになるじゃろう。無属性魔法は古代魔法と呼ばれているものの一種なんじゃろう?」


 僕は師匠からいずれ超えられると言われ、ぽかんとしたが、無属性魔法について聞かれてふと戻ってきた。


「魔法師団のアリス博士って人は古代魔法の一種だと言っていました。」


「そうかそうか、古代の魔法は今の魔法なんかよりもよっぽど発展していたと言われているからのう。どのレベルまでいけるかは誰も分からないのじゃ。」


 僕はノンに無属性魔法について聞いてみることにした。


(ノン、無属性魔法って古代の魔法なの?)


(そっちから、話しかけてくるのは久しぶりなの。無属性魔法は古代魔法があった時代の少し前からあるの。)


(それって、どういうこと?)


(あのお婆さんが今よりも発展しているって言ってた古代魔法だけど、それらって実は全て無属性魔法の派生なの。だから、そこらへんの古代魔法よりも断然こっちのほうが優れているの。)


 ノンからとんでもないことを聞いてしまった。古代魔法の根源が無属性魔法であることは誰にも話さないでおこうと決めた。

 なんでって?

 だって、もし話しても古代のことなんて全然分からないし、古代魔法が途絶えたのが人の手によるものだったら、僕まで狙われそうだもん。


「ルート、考え事なんてしてないでお前さんの使える魔法を見せてほしいのう。」


 師匠にそう言われて僕は見せることにしたが、無属性魔法はまだ使えないことに気付いた。

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後書き

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