6話 無属性魔法ーノンー

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「無属性魔法?」


 僕は思わず聞き返した。無属性魔法なんて今まで聞いたことがなかったからだ。


「それってどんな魔法なんですか?」


 母がアリス博士に聞くと、アリス博士はここにいる人以外に僕が強くなるまで絶対に言わないことを条件に教えてくれた。


「無属性魔法は今では失われた魔法を呼ばれているものだ。要するに古代魔法だな。先人たちの時代はもっと魔法が発達していたといわれている。なぜ、現在の魔法が過去に劣っているかと言われると、約500年前に起こったとされている大災害にある。およそ500年前に不死身の龍というものが出たそうで、そいつは不死身でどんな攻撃を受けても死ななかったそうだ。そして、倒せない龍を先人たちは封印することを選んだ。その代わりに先人たちは多くの魔法を失った。その中の1つが無属性魔法ということだ。」


 そう言ってアリス博士は一冊の本を僕に渡した。


「これに無属性魔法と思われる魔法の使い方が書かれている。これを使って君は強くなれ。」


 僕はその本を見てみたが、もちろん古代文字と呼んでいるもので書かれているので僕には分からなかったが、頭の中にピロンと音が響いた。


(あなたがノンアトリビュートの新しい使い手ですね。私はあなたの言う無属性魔法です。無属性魔法は魔法本体と使い手がペアを組むものと考えてください。あ、私のことはノンと呼んでください。)


 僕はこいつちゃっかりしてるなぁ。と思っていたら、また話しかけてきた。


(ちなみに、あなたが思ってることは私に丸聞こえですよ。ちゃっかりしてるなんて言わないでくださいね。)


 考えていることがバレてしまうことに僕はげんなりしているとアリス博士は不思議な顔をして言った。


「ルート、どうした?さっきから1人で表情を変えているが。」


 僕はノンと会話していることをアリス博士に伝えていいかどうかノンに聞いてみることにした。返答はすぐに返ってきた。


(普通の魔法はこんな風に会話することなんてできないので、言わない方がいいと思いますよ。ここは適当に言い訳しておくべしです。)


 最後のべしが気になったが、僕は言い訳をすることにした。


「あぁ、すみません。古代文字が全然分からなくて...」


「まぁ、そうだろうね。これからゆっくりと解読していけばいいさ。」


「はい、そうですね。」


「あ、そうそう。忘れるところだったんだけど、古代文字って全く分かっていない文字って訳じゃなくて、少しだけ解読されている部分があるから、それの写したものをあげるよ。」


 僕はノンがいるからなんとかなりそうだが、ここで断るとなにか疑われてしまいそうなのでもらっておくことにした。

 こうして、無属性魔法のノンと出会った。

 

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後書き

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