5話 アリス博士

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 団長に連れられて来た僕と母だが、1つの部屋の前で止まった。


「ここなんですか?」


「そうだ。ここが鑑定の魔女といわれているアリス博士の研究室だ。初めて入る人は絶対に驚くぞ。」


 団長が絶対に驚くと言っていたことを不思議に思い、母の方を見た。


「確かに、あれは驚くわね。私も最初は驚いたわ。」


 どうやら、絶対に驚くというのは本当のようだ。


「アリス博士、鑑定してほしい人がいるんだが...」


 団長が言い終わっていないのに、部屋の扉が急にバン!と開き、中から25歳くらいの美しい女性が出てきた。


「やっぱり、私の占いは外れないわね。今日は大事な何かが来ると思ってすぐ出れるようにしていたの。」


「私の時は、ちょっと待ってって言われて1時間も待たされたのに...」


 母がそう愚痴っていた。この人は気分屋なのかもしれないと思った。


「ほら、早く行くわよ。いつまでそこにいるのよ。」


 そう言って、アリス博士は部屋の中に入っていく。それに続いて僕も入った。


「うわぁ、すごい。」


 目の前に広がっていたのは、この建物よりよっぽど広い空間とびっしりならんだ魔法に関する研究をするための道具だった。


「やっぱりみんな驚くのよねぇ。魔法で空間を広げただけなのに。」


 魔法で空間を広げていると聞いて頭の中に?が量産されているとアリス博士が声をかけてきた。


「そんなに驚くもんじゃないさ。君の魔法の方がよっぽどすごいものかもしれないぞ?なんたって、私の占いは外れないからね。」


 アリス博士はそう言って、母の方を見て魔法の適性を調べたときの様子を聞いた。

 アリス博士はすこし考えるそぶりをしてから僕に言った。


「まぁ、考えてみても分からないから早速鑑定してみよう。私の正面に立ってなさい。」


 そして、アリス博士は呪文を唱え始めた。1分くらいした時、アリス博士は呪文を唱えるのをやめた。どうやら無事に鑑定できたようだ。

 しかし、アリス博士は震えていて何かを考えているようだった。


「あの、アリス博士?僕の魔法についてなにか分かりましたか?」


 そう言うとアリス博士は真剣な顔をして言った。


「君の魔法は無属性魔法だ。」


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後書き

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