幕間.メッタメタな舞台裏


※シリアス展開に筆者自身が耐えきれなくなってきて生まれた、登場人物達がこの物語を客観的に見ていたら?というかまんま舞台裏に連れ込んだら的なメタなお話。裏話や次回予告的な話もちらっとあったり。ほぼ会話オンリーです。


※このお話を見なくても本編に影響はありません


※引き続きシリアスムードを楽しみたい方は見ない方がいいかもしれません‥‥。


※あまりにも空気感に合わない等のコメントがあれば、あるいは筆者自身がそう感じたらこの幕間は消滅するかもしれません。


——————————————————




「‥‥ぐすっ‥‥」


「!!!」


「‥響君に嫌われた‥‥」


「ちっ、違うんだ美麗!くそっ、本編の俺め!美麗を泣かすとかふざけやがって!ちょっと本編行ってぶん殴ってくるわ。それで記憶も戻るだろ。ん?どうした、美麗。俺の服掴んで」


「‥響君をぶったらだめ」


「ぐっ‥‥本編の俺、命拾いしたな。それにしても美麗は大丈夫なのか?体調悪そうだが‥」


「‥私は、この後‥‥」


「この後‥‥?」


「‥倒れる」


「!?ま、まさか美麗まで記憶が‥」


「‥ただの風邪だから大丈夫」


「風邪か‥‥それでも心配だ。そういえば、今まで病気とかしなかったから美麗の看病とかってした事無かったな‥‥ぐぬぬ、でも俺は記憶がないから看病もできないのかっ‥」


「‥風邪、移っちゃうよ?」


「美麗の風邪ならむしろ移りたいまである。ほら、風邪は移すと治るって言うし」


「‥移ったら私が看病するね」


「なん‥‥だと‥‥。今すぐ風邪を移したいっ‥‥どうすれば‥‥ぁ、確か‥キスすると移りやすいって聞いた事あったな」


「‥‥‥する?」


「したい‥」


「‥響君」


「美麗‥」




「はい、すとーっぷ!」




「なんだよ浩二、邪魔すんなよ」


「‥こんにちは、沢渡君」


「今イチャつかれると話が止まっちゃうからね。久しぶりの登場だし。本編じゃないけど」


「浩二、最近出番無かったからな。何してたんだ?」


「いや、相沢ちゃんを突き落とした犯人を取り押さえたり、すぐに救急車を呼んだりしたの全部俺だからね?」


「へー、そうだったのか」


「‥沢渡君、ありがとう」


「うぅ‥‥労ってくれるのは相沢ちゃんだけだよ」


「あの後、あいつどうなったんだ?」


「目撃者も多かったし、響のポケットから出てきた手紙も決定的な証拠になって、殺意とかも否定しないから傷害ではなく明確に殺意ありって事で殺人未遂として少年院か少年刑務所に送られる事になるらしいよ。学校は勿論退学」


「‥‥‥」


「美麗。美麗が落ち込んだりしなくていい。あいつはそうなっても仕方ない事をしたんだ」


「‥でも、私がちゃんと手摺りとかに掴まって落ちたりしなければ‥‥その人も‥‥それに、響君だって怪我したりしなかった」


「俺は美麗を守れるなら、怪我なんていくらでもするし、その結果死んだっていいと思ってる。自分が傷つくよりも、美麗が傷つく方が俺はずっと痛いんだ」


「私も!‥私だって‥‥自分が傷つくよりも、響君が傷つく方が、ずっと‥痛いんだよ?だから、あまり無茶な事したら、だめ」


「美麗‥」


「‥響君」




「だーかーらー!」




「よし、つまりは美麗を守りつつ俺も無傷だったらいいわけだろ?ちょっと鋼の肉体を作り上げるわ‥‥ふっ!ふっ!ふっ!ふっ!ふっ!」


「何か急に腹筋始めたし」


「‥私も頑張る。い‥‥‥ち、に‥‥‥い」


「何なのこの筋トレしてるバカップル‥‥あ、でも今は別れてるって事になるのかにゃ?」


「やめろぉぉおお!それを言うなぁぁあああ!」


「次の舞台は1ヶ月後になるけど、その間連絡すらしてないんだよね?」


「俺のスマホ、階段から落ちた時に大破したんだよ‥‥SDカードまで‥‥俺の、俺のっ、美麗たんお宝フォルダが‥‥っ‥っ‥」


「うわ、ガチ泣きしてる」


「‥響君。美麗たんお宝フォルダって、何?」


「あ、いや、えっと‥‥そうだ!浩二に聞いてみたい事があったんだ」


「んにゃ?」


「‥ねえ、美麗たんお宝フォルダって、何?」


「いや、別に、その、ははっ!」


「‥じーーーっ」


「あれだ、文化祭の時のメイドの美麗とか、修学旅行の時の着物の美麗とか、そういう写真だよ」


「‥違う」


「響、誤魔化したりするのホント苦手だよね」


「‥響君、私に嘘つくんだ‥‥‥」


「はい!正直に告白します!際どい美麗の水着ショットとか、一番のお気に入りは学校で白百合と昼飯食ってる時にやってみたというミニスカ美麗の見えそうで見えないギリギリをついたローアングルショットですっ!」


「!‥愛ちゃん、いつの間に撮って‥‥」


「そういえば響、前にお昼食べてる時にスマホ見て熱せられたアスファルトでのたうち回るミミズみたいな動きしてた事があったね」


「ああ、その時だ。放課後に白百合に最敬礼した」


「‥‥響君。私のミニスカート姿‥‥見たい?」


「はい!見たいです!」


「‥‥‥恥ずかしいからお部屋なら、‥いいよ」


「写真も撮っていいでしょうか!」


「‥うん。でも、記憶が戻って、また恋人に戻れたらね?」


「ちょっと本編行ってくる。記憶が戻るまでエンドレス頭突き祭りの幕開けだわ。本編の俺、今夜は寝かせないぜ!」


「えいっ」


「おい!浩二、離せ!いだ、いだだだ、何だこれ、『えいっ』で済む力じゃねえ!」


「そういえばさっき何か聞こうとしてなかった?」


「ん?あぁ‥‥ちょっと気になっただけなんだが、浩二って長男だよな?」


「うん、そだよ」


「何で浩二なんだ?」


「‥あ、確かに。気になる」


「響、相沢ちゃん‥‥予言するよ。響と相沢ちゃんはきっと、え?それだけ?と言う」


「?おう」


「‥?うん」




「父親がね、浩一って名前なんよ」




「「‥‥‥‥‥‥え?それだけ?‥‥ハッ」」



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