第2話 遅刻の課題
次の日。
「嘘!? そんな事あったの?」
「うん。もう本当最悪……」
私は昨夜の事を、祐美に話をした。
「でも、一つの出逢いだよね? で? カッコ良かった?」
「えっ? いや……それ所じゃなくて正直、覚えてないかも……」
「勿体ない」
「仕方ないじゃん!」
私はキスをされた事と隣人だった事は言わなかった。
流石に祐美もそれを聞いたら驚くのと彼氏ゲット! と言い兼ねないから。
ある日の事。
「えっ!? えええっ!? と、時計が………止まってるぅぅぅっ!」
朝、学校の日。
私は時計が止まっている事に気付き焦っている瞬間だ。
昨日は、キチンと動いていたはずの時計が今朝になって止まっていた為、私は慌てて学校に向かった。
キーンコーンカーンコーン………
学校のチャイムが鳴り響く。
案の定、遅刻をしてしまい ―――
こっそりと後ろのドアから体全体を低くして入って行く。
「えー……それから…紫原っ!」
ギクッ
名前を呼ばれてしまった。
「こっそり入って来てもバレてるぞ! 紫原麻巳っ!」
私は渋々立ち上がり顔を出す。
「完全に遅刻だっ! 罰として居残りの課題を後で言うっ! いいなっ!」
「……はい……」
私は自分の席に移動し着席する。
「ねえ、作馬っち」
「何だよ。俺を呼ぶ度に呼び方変えるなよ。しかもまだ H.R.中」
「あんな子クラスにいた?」
「あーいたけど。紫原麻巳……どっちかっつーと……目立たない寄りだろう? 眼鏡掛けて地味寄りじゃね?」
――― そう ―――
私は眼鏡を掛けてお下げ髪をしている女の子だ。
クラスの男の子が言うように私の存在は地味で真面目そうなどが当てはまる。
そういう見た目のイメージしかないと思う。
そして、H.R.が終わり。
「私、勉強が取り柄ですみたいな。男に興味ありませんみたいな」
「………………」
「うーん……そうかな?」
「そうだって!つーか、お前のタイプじゃねーから気付かなかったんじゃ?」
「そうかも~」
「だって、お前美人系が大好きじゃん!」
「まーねー」
その日の昼休み。
先生に呼び出され遅刻の課題を言われた。
「今日から1週間、放課後の図書室の掃除だ!」
「えっ!? 今日から……1週間……ですか? いや……困ります! 私、事情あって学校終わってバイトしていた朝に変えて貰う事出来ませんか?」
「……朝ねぇ~……」
「お願いしますっ! その分遅刻する事も絶対にないし」
頭を下げて、とにかく先生にお願いする私。
「よし! 良いだろう?」
「ありがとうございます。後、出来れば今日からじゃなくて明日の朝からお願いします。1日延びて構いません」
「分かった。じゃあ、明日の朝7時~8時の1時間の掃除だ!」
「はい! 分かりました! 御理解頂きありがとうございます」
私は頭を下げ、職員室わー後に教室に戻った。
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