報告

 峰島は柳生やぎゅう忠正ただまさ刑事局局長の元に向かった。彼は現在刑事局付の検事である為、直属の上司は局長だからだ。しかも問題は決して小さなものでは無い。これは厄介なことになりそうだと、佐倉は改めて覚悟する。

 当然その場には、自分達の直属の上司である刑事局総務課の渡口課長も呼ばれていた。峰島から書類の紛失に気付いた時の様子や、その後の経緯も含めて説明している間、渡口は顔を青くしていた。それもそのはず、峰島以外の四人は全員総務課の所属だ。問題となれば、間違いなく課長の管理責任も問われるからだろう。

 話を一通り聞き終わると、局長が確認の意味も込めて尋ねた。

「つまり紛失した裁判書類は、間違いなくここに無いと考えていいのかね」

「はい。ここにいる三名で探した結果と、他二名にも話を聞いたことを合わせれば、こちらの会議室に持ち込まれる前から、無くなっていたものと思われます」

「ちょ、ちょっと待ってください。それなら峰島検事は、書類を運んだ大飯と間中の失態だとおっしゃるのですか」

 課長が抗議すると、大飯と間中もそれに同調した。

「私達が途中で紛失することはあり得ません」

 しかし興奮している三人とは対照的に、峰島は静かに反論した。

「私は途中で無くなったとは断言していません。もちろんその可能性もゼロではないでしょう。しかしここに運ばれてくるまでの間に、裁判書類を誰かが抜き去る、または意図せず抜け落ちたとすれば、後は甲府地検での受け渡し時しかあり得ないと思います」

「し、しかしそれは先程ご説明したように、私と間中、そして先方の三人で間違いなく揃っていることを確認しています」

「それは伺いました。しかし確かめながら、資料一式をスーツケースに入れる作業を行ったのですか」

 峰島の冷静だが厳しい質問に、大飯は怯みながら答えた。

「い、いいえ。揃っていると判った後に、間中と二人でスーツケースに詰め込みました」

「ならばその間に誰かが抜き去る、または間違って入れ損ねたということはあり得ませんか。入れ終わった後に書類の数を確認したり、数を確かめながらケースに入れたりした訳ではなかった。そうですよね。つまり移している間に、何かが起こった場合もあり得ます」

「ぬ、抜き去った人がいるとは思いません。私達は間違いなく、書類を全て、」

 大飯は断言したかったようだが、記憶が曖昧になったのか自信が無くなったらしく、途中で言葉が途切れた。その様子を見た峰島はさらに詰問口調で質問した。

「それでは受け渡し時の状況を、詳しく説明してください」

 大飯は大きく深呼吸してから姿勢を正し、彼の問いに答えた。

「こちらの書庫と同じように、地検の資料室の入り口には腰より少し高めで、広めのカウンターがありました。そこへ先方の監理官が事前に確認し用意していた、資料一式が入った段ボールを奥から出して乗せられました」

「ではお二人と監理官とは、カウンター越しで迎え合わせになっていたのですね」

「はい。その状態で監理官が箱から資料を出し、中身をリストで確認しながらカウンターの空いた場所に置いていきました。私達もそれをずっと見ていました。そして間違いなく揃っていることを見届け終わったところで、私達の足元に置いてあったスーツケースに山と積まれた資料を下ろして詰めこんだのです」

「ということは、カウンターが腰より少し高めですから、ややしゃがむ形になりますね」

「はい。しかし二人共が別々に積み込みましたから、それ程時間はかかっていません。カウンターに置かれた資料から目を離したとしても、ほんの一瞬かせいぜい数秒ぐらいです」

「しかしそれだけの時間があれば、積まれた資料の一部がカウンターの向こう側、つまり監理官側に落ちることもあり得たかもしれませんね」

 予想外の質問だったのだろう。それでも彼は戸惑いながら何とか答えた。

「そ、そういったことが無かったとは言い切れません。確かにカウンターの向こう側までは、私達から見えませんから。しかし落ちたとしたら、監理官が気付かれるはずです」

「普通はそうでしょう。しかし気付かなかったのかもしれません」

「そうですね。でも落ちたくらいなら、すぐに見つかるはずだと思います」

「私もそう願っています。だとすれば別の方に再度受け取りに行っていただけば済むでしょう。それに越したことはありません」

そこで局長が指示を出した。

「それでは峰島検事は至急、甲府地検に連絡して該当の書類が間違って書庫に残っていないか、調べるよう伝えなさい。ここの電話を使っていいから」

「了解しました。拝借します。先方で立ち会ったのは、波間口検務監理官でしたね」

「はい。地検の資料室管理責任者です。電話番号はこちらになります」

 確認された大飯が答え、胸元から出したスマホに入力されていた番号を、画面に出して見せていた。書類のやり取りをする為に、登録していたらしい。受話器を取った峰島は、その番号を打ち込んだ。そして相手を呼び出し、要件を伝えていた。連絡を受けた先方でも、事の重大さを理解したのだろう。慌てている様子が受話器から漏れ聞こえてきた。結局書庫を探してから、後に折り返し電話することとなったようだ。そこで峰島は自分のスマホの番号を伝えていた。

 話終わって電話を切った彼は、局長に頭を下げた。

「ありがとうございました。先方が探している間、早速残りの書類の精査を始めたいと思います。その間に先方から見つかったと連絡があれば、申し訳ありませんがもう一度どなたか回収に行っていただけますか。できれば今回の二人以外が良いかと思います」

「いえ、もし書庫に残っていたとすれば、私達の責任でもあります。二人でもう一度行かせてください」

 大飯が反論すると課長が首を振った。

「検事がおっしゃるように、他の職員に行かせた方が良いでしょう。そうだ佐倉、お前が行ってくれるか」

 突然指名された為驚いていると、峰島が頷いた。

「そうですね。佐倉さんのお仕事に支障が無いようでしたら、お願いしたいと思います。それに今回は持ち帰る資料も一部だけですから、お一人で十分でしょう」

「いいえ、一部とはいえ重要な書類です。一名だと何かあった場合に対処できなくなりますから、もう一人行かせましょう。木下、お前は行けるか?」

 課長の言葉に彼は納得したらしく、頷いた。

「分かりました。この件は最優先すべき案件だと思われますので同行します」

「それは助かります。ではよろしくお願いします。ただ先方から見つからないとの回答があった場合は、別途打ち合わせをさせてください。それまでは各自、それぞれの仕事に戻っていただいて結構です」

 淡々と述べる彼の言葉にひやりとした。もしも見つからなければ、本当に大事件になる。それこそあの「財田川事件」以来の、資料が全て揃っていなかった為に長年死刑執行命令を下す書類が作成できない事態と同じだ。

 しかし「財田川事件」は、警察や検察による杜撰な捜査と証拠隠滅の可能性も取り沙汰された不祥事である。さらには冤罪であることも後に明らかとなった。よって結果的に死刑執行への流れが止まったことは、皮肉にも不幸中の幸いとなった案件である。

 だが今回は違う。冤罪事件でも検察が裁判記録を破棄するような理由もない。よって粛々と手続きを進め、死刑執行に向けて書類を作成しなければならないものだ。執行自体は早くて二、三年後である。遅ければ数十年と執行されない。

 それでも裁判記録が紛失し、書類が作成できず死刑執行できないとなれば、大変な不祥事となるだろう。ただ昔と違い、今は様々な形で裁判記録などが残されている。紛失した記録がデータ保存されていて再作成可能なものであれば、作り直すことも可能だ。しかしそれが難しいとなると一体その先はどうなるのか。考えただけで恐ろしい。

「では検事の言う通り、各自持ち場に戻ってくれ。ただしこの件に関して、ここにいる職員以外には絶対他言するな」

 局長の一声で全員が解散し、それぞれ職場へと戻ることになった。しかしまだ昼食を取っていない佐倉は大飯に声をかけた。お腹が空き過ぎて仕事どころではない。まずは腹ごしらえが必要だ。それに彼とは少し話をしておきたいこともある。

「ああ、そうしよう。さっきまでは食欲も無かったが、急に空いてきたよ」

 問題は解決していないものの、まずは一段落が付いたためか緊張が解けたらしい。そこで二人は遅い食事を取りに外へ出ると課長に告げ、庁舎を出た。すでに時間は三時近くになっている。ランチタイムなど終わっている店ばかりだ。

 そのため近くのファストフード店へ入ることにした。セットに単品も加えて注文をし、学生達が出入りし始めていた店内の隅に席を取る。二人はハンバーガーをむしゃぶりつくように無言で食べた後、ようやく息をつくことができた。適度にざわついている中で大飯が深く息を吐く。

「ふう。やっと生き返った気がする」

「何を大げさな。しかし面倒な事になったね」

 佐倉は小声で告げる。彼もまた頷きながら呟いた。

「本当だよ。厄介なことになった」

「確かに書類は大量にあったけれど、検事が言っていたように一部だけ置き忘れてくるなんてこと、普通は有り得ないでしょう」

「いずれにしても俺達が戻った頃か、もうしばらくすれば結果が出ているはずだ」

 店を出て席に戻った佐倉達は、再び局長室に呼ばれた。そこで思った通り、峰島から連絡を受けた甲府地検は丹念に資料室を探したが、どこにもなかったと聞かされたのである。

 もちろん書庫の管理責任者である波間口対しても、地検の上司により聞き取りを行ったそうだ。しかし書類を落とした、ましてや抜き取った事実など無いと断言したらしい。

 こうなると完全な紛失事案となる。後はどう対処するかだ。無くなった裁判記録の項の三が再作成可能かどうかも、今調べているという。これで佐倉達が甲府へと急遽飛ぶことはなくなった。しかし問題はさらに悪化してしまっている。

 先ほど局長室に揃った時は、立ったままで報告をしていた。だが今回は応接用のソファに各自座らされて説明を受けることになった。そして今後どうするかを、じっくり打ち合わせしようと言われたのである。

「改めて説明するが、少し前に峰島検事の携帯へ甲府地検から連絡が入り、資料は見つからなかったとの報告を受けた。それを聞いて局長の私から再度地検の上層部に確認の連絡を入れたが、同じく無いとの回答だった。先方の説明では、間違いなく資料一式が揃っていることを確かめた上で大飯達に引き継いだ。よってその後の事はこちらの責任ではない、とはっきり言われたよ」

「私は波間口監理官に携帯で直接話を伺いましたが、書類の確認やその後の受け渡しの状況は、大飯さんから伺った通りでした。しかしチェックを終了した後は、大飯さん達が書類をスーツケースに詰めていく様子をカウンター越しに見ていただけだったそうです。その為、一切資料に触れたりはしていないと断言されていました」

「検事と局長のお話からすると、資料の紛失は引き渡した後に起こったと先方は主張している。ただ幸いなことに再作成が必要であるなら、少し時間はかかるけれども可能だと言う連絡が先程入ったので依頼しておいた。数日もすれば連絡があるだろう。その時は改めて書類を回収しに行って欲しい。その任務は先程告げたように、佐倉達二人に任せる」

 局長と検事の後に課長が補足説明をいれた。再作成が可能ならば、起案書の作成に支障はない。これで最悪の事態は避けられそうだ。しかしデータが残っているとはいえ、メールなどで送信できるものでは無い。改めて各部署の責任者などの捺印やサインを取り、書類として完成させなければならないのだ。

 お役所仕事ではあるが、人一人を国家が殺すかどうかを決めた大事な裁判資料等の一部である。それも止むを得ないことだろう。

「現在、その他の書類に目を通していますが、十日程度かかると思います。課長の言われたスケジュールであれば、起案書の作成にそれほど支障は無いでしょう」

 検事は取り寄せた裁判資料の中身を見て、審査を行う。問題なければ死刑執行起案書が作成され、多くの上層部質の目を通して決済されていく。

「資料が再作成され、私達が甲府地検へ取りに伺うことに異論はありません。ただ今回の紛失に関しては、どう対処するおつもりですか」

 佐倉が課長に尋ねると、彼は眉間に皺を寄せて局長の方を向き、何かを確認して頷く。そしてこちらへ向き直り答えた。

「起案書の作成に支障はないが、重要な裁判記録が紛失したことは大きな問題だ。この事態が外に漏れては大事になる。だから絶対他言は無用だ。いいな。その上でこれは局長からの指示だが、佐倉と木下には内々で資料を探して欲しい。甲府地検から再作成された資料が出来たとの連絡があるまで、この庁舎の内部での捜索を徹底してやってくれ。それでも見つからなければ、甲府に書類を回収に向かった際、先方での聞き取り調査と書類の捜索をして欲しい」

 佐倉は想定外の指示に、思わず尋ね返した。

「え? こちらを再捜索するだけでなく、甲府地検でも探すのですか?」

「こちらで見つからなかった時はそうしてくれ。もちろん甲府地検が手放した後の流れを徹底的に裏付けして、それでも見つからなかった場合だ。そうでないと先方を捜索する名目が立たないからな」

「こちらとしても調査した結果、甲府から運びだす前に紛失した可能性が高いと先方に納得させるだけの証拠を掴む必要がある。だから生半可なものではなく、確実にこちらにはないと胸を張って言わなければならない。分かったな」

 局長によるさらなる念押しによって、佐倉達は頷かざるを得なくなった。

「検事は引き続き書類の審査を行ってください。その他の二人は通常業務に戻るとともに、佐倉達が今抱えている急ぎの仕事を引き継いでくれるか。それと調査への協力は積極的に行ってくれ。検事もお忙しいとは思いますが、その点はご協力ください」

「もちろんです、渡口課長。佐倉さん達も遠慮なく確認したいことがあれば、いつでも会議室に来てください。これから少なくとも一週間以上は、ほぼあの部屋で缶詰め状態になっているでしょうから。しかし私がお話しできることは、大飯さんと二人で書類の有無をチェックしていた時の事しかありませんが」

「それではこれで解散だ。ああ、佐倉と木下と課長は残ってくれ」

 局長の一言で峰島や大飯達が席を立ち、部屋を出て行った。その後課長が口を開いた。

「調査の件は予断を持たず取り組むように。佐倉は大飯と同期だからやりにくいだろうが、そこは仕事と割り切ってくれ。今回の紛失に関わっているのは、基本的に今出て行った三人だが、外部の人間の可能性だってある。局長はそこもしっかり調査するようにとおっしゃっているから頼んだぞ」

 これには佐倉も驚いた。

「外部、ですか? 第三者が裁判資料を持ち去った、とでも?」

 今度は局長自らが口を挟んだ。

「予断を持つなと言ったはずだ。大飯達が山梨からここへ運ぶ間、何らかのトラブルがあった可能性も考えろ。まずないとは思うが、念のためだ」

「死刑執行が止まることを望む人物による犯行、とでもおっしゃるのですか」

「可能性としてはゼロではないだろ。幸い紛失した書類が再作成可能なものだったから、起案書の作成に支障はなさそうだ。しかしそんな事は、第三者や素人に分かる訳がない。かつての財田川事件や死刑執行の流れに関心を持って調べた人物がいて、資料の一部が無くなれば死刑を止められる、と考えても不思議ではないだろう」

 確かにかつて起こった「財田川事件」では、裁判資料の一部がなかったことで起案書が作成されなかった。その為死刑判決が出た谷口たにぐち繁義しげよしは、長年死刑が執行されず放置されていた経緯がある。当時の死刑を求刑した検事の手により、紛失または廃棄された疑いもあったそうだ。

 結局冤罪だと証明されたため、死刑が執行されなかったこと自体に問題は無かった。しかし今回それとは意味合いが異なる。

 すると横にいた木下が、鋭い質問を投げかけた。

「今回の紛失の件は、本当にそこまでして調査するおつもりですか」

 これには局長と課長の動きが一瞬止まった。彼の言う通りだ。書類の紛失調査は本気でしていいものなのか。そこまでやるのか。実際には再作成できるのだからそのまま問題は無かったことにしてもいいのではないか、と問うているのだ。

 このところ各省庁における決裁書類の改ざんや紛失、または廃棄等についてでたらめな文書管理をしていると、野党の議員や世間から相当な非難を浴びていた。法務省でも二〇一八年一二月に全国二十九の保護観察所や地方更生保護委員会で公文書をつづったファイル、計七千六百八十八件を誤って破棄していたことが省内の調査で分かったと発表している。

 中身は職員の出勤簿や表彰関係の文書に加えて、事件関係の記録や統計作成のための元データであり、保存期間が過ぎていない公文書も十二件あった。さらには年が明けた二〇一九年には厚生労働省における統計不正問題の発覚を機に、法務省でも再び不祥事が明らかになっている。

 外国人労働者の受入数や実態、外国人技能実習生の失踪者数などが法務委員会で取り上げられた際のことだ。具体的な数字や根拠を示さなかっただけでなく、失踪理由ついて政府が報告していた内容が虚偽であったと報告しなければならない失態を犯した。

 だからこそ法の秩序を守る法務省において、これ以上同じような事を起こしてはならないと考えるのも無理はない。佐倉達がB会議室で行っていた文書管理もその一環で実施されたものだったから余計だ。しかしこの紛失の真相を探るには、相当な労力がかかると予想される。

 まずは身内を疑うことから始まるのだ。結果によっては傷口を大きく広げかねない。さらに外部犯行説まで飛び出すのなら、藪を突いて余計なものを引き出してしまうこともあり得る。マスコミなど外部に漏れる危険性もあった。その為木下は、局長と課長がどこまで本気で言っているのかを率直に尋ねたのだろう。

 他の三名がいる手前、調査は本気でやると言っただけではないか。実際は表沙汰となった時に備え、そこまではやったとのアリバイ作り程度で済ますつもりではないか。結局紛失自体をうやむやの内に隠蔽してしまうつもりではないか、という核心を突いた質問だ。

 さてどう答えるかと佐倉も息を飲む。しかしその回答はあっさりしたものだった。

「言った通りだ。やり方はお前達に任せる。まずは内部と外部の両面を調査し、何も出てこなければその結果を持った上で、甲府地検にヒアリングしてくれ。それでも書類が出てこない時は、また改めて打ち合わせを行う。以上だ」

 局長は立ち上がった。これ以上言う事は無いとの意思表示だろう。続いて課長も席を立ち、局長に頭を下げた。結局調査の指示は出したが、どこまで突っ込むかは佐倉達に一任した形だ。部屋を出た後、これは面倒な仕事を押し付けられたものだと頭を抱える。そこで木下に声をかけられた。

「しばらく他の仕事はできないでしょう。まずは今抱えている案件を大飯さん達に引き継ぐことから始めますか。調査に関する打ち合わせはそれからですね」

「そうしようか」

 気を取り直して席に戻った佐倉は先に戻っていた大飯達を呼んだ。そしてとりあえずここ一カ月以内には手を付けなければならない案件に絞り、それらの引継ぎを行った。それは結局夜までかかった。その為今日は荷物を運びだすことから始まり、手近な仕事を手放す代わりに厄介な仕事を抱えこむことで終始した一日だったことになる。脱力感と虚しさだけが残った。

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