カドさんの逆襲
白浜維詠
第1話 カドさんの逆襲・其の壱
作者
「燃えたよ…自分の頭の中出しきったよ…真面目に書いても報われねえと解ってるのにやってるなんて病気だよな、へへっ」
ばたっ。
寝殿造りのやたら屏風に囲まれた部屋で目覚める。
はっ、ここは?
???
「ようこそ、我が邸へ」
奈良時代の貴族風の男。
作者
「熟年ダンディの貴公子さん、貴方は?」
「そうです、遣唐大使を務めた藤原葛野麻呂。
史実で薬子と愛人関係でも政争で生き残った葛野麻呂。
貴女が書いた作品の中でもしぶとく政治の中枢にいる葛野麻呂です」
作者
「ああ、空海関連の書籍では一回しか名前がでこない葛野麻呂さんね」
葛野麻呂
「…どんなに頑張っても、1200年経てばみんな忘れます。貴女、どうして私を準主役級に活躍させたのですか?」
作者
「昔っからヒーローものや少年漫画見てると、主人公よりもライバルや敵役に感情移入してしまうタイプだからです」
葛野麻呂
「例えば?」
管理人
「漫画『炎の転校生』の伊吹とか、『るろうに剣心』の志々雄とか、『六三四の剣』の修羅くんとか、フリーザ様とか」
葛野麻呂
「伊吹は最終回まで不憫でしたね…で、作者さんは私のこと調べまくって悪運強いキャラに仕上げちゃったんですね」
管理人
「ええ、清々しい程のクズに」
葛野麻呂
「…まあ、作者さんは出しきって疲れているようだからしばし我が邸で休んで下され」
管理人
「湿気多いと体動かなくなるし、エアコン無いとダメですね~」
葛野麻呂
「ささ、宴でも致しましょう。ちなみに『炎の転校生』は『アオイホノオ』描いた島本和彦先生の最初の代表作です」
脇息にもたれた作者
「あ~、説明やってくれてありがとございまーす」
だらだら。
葛野麻呂
「ふっふっふ、こうやって作者接待して出番を増やしてもらおうという作戦である」
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