04 制裁



「しゅ、しゅいません。もうしませぇん」


 で、馬鹿とお嬢様がぼっこぼこにした人さらいに話を聞くと、他の所にさらった子供達を集めている拠点があるらしい。

 だが、もうすぐそこの子供達は別の場所に運ばれてしまうとか。


 しかるべき場所に、その事を知らせていたら救出が間に合わないだろう。


 だから幼馴染共が次に向かう場所は決まっている。


「ヨルン、止めないで。確かに誰かの力を借りる事は大切だけど、ここで見過ごしたら助けられなくなっちゃう子がいるんだから」

「俺達が頑張れば助けられる子がいるなら、頑張らないとな」


 確かに子供達も危ないだろうけど、自分の身も危なくなるって考えろよ。

 猪突猛進型幼馴染達は、何でもかんでも首を突っ込んでいた昔よりは成長したらしいけど、やっぱり変わってない所もある。


 自分達の事を横に置いておく性格だ。

 他人助けるために、自分が怪我してたら意味がないだろ。


「はぁ、もう。好きにしろよ。僕は嫌だけどな。止めたって行くんだろ?」


 けど、こいつらが頑固なのは知ってる。

 きっと、止めたって無駄だってことも良く知ってる。


「ありがとう。ヨルン」

「さんきゅーヨルン」


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