第23話…魔法、使ってみせた
「じゃあ、取り敢えずいつもやってる水魔法を見せて貰おうかな。畑に撒いてるやつね」
「はい。でも私魔力量はそんなに多くないんで色々は出来ませんよ?朝畑に水やってきたし」
魔法の練習場は、昔映画で視たローマの闘技場な感じで、今は誰も居ないけれど周りは観客席になっていて、実際試合とかも行われる事があるらしい。初級程度の魔法なら必要無いけど、威力の強い魔法を使う時は魔石でバリアみたいなのを張る事も出来る様だ。私には関係無いけどね。
手のひらを前に向け、魔力を込める。すると二メートル程先の地面に向けて、シャワーくらいの水が飛び出した。いつみても不思議な感じよね。自分の身体から水が飛び出してくんだから。魔力がなにやったら水とか炎とかに変換されるのか良くわからない。わからないけど、便利だからまあいいや、って感じだ。
ちなみにさっき殿下に言った言葉は、半分ホントで半分嘘だ。魔力量が少ないのはホントで、魔力をたくさん必要とする様な魔法は使えない。一度図書館で中級クラスの魔法の本を読んでみたけど、まったくもって無理だった。まあ、魔法は天使様のサービスチートなんで、使えなけりゃそれで構わないけど。
で、何が嘘かといえば、どうも私にはMPのオートリジェネ機能がついてるらしい。つまり使ってもちょっと休めば回復するのだ。かといってあんまり一度にやって魔力量が多いと勘違いされると困るので、毎回そんなに出来ないって言ってるけど。……なんか頼んでないチートが色々付いてるけど、天使様って意外とツンデレ甘々ちゃんかしらん。
「へえ。それ、水の量は変えられる?」
「水の量ですか?」
殿下に言われたので、魔力を絞り、ミストレベルにする。
「一度に放出する量を減らしたり、絞ったりは出来ますが、増やすのは、ちょっと難しいですね。タライの水くらいを一気に落としたら魔力を使い果たしちゃうんで」
園芸用のシャワーノズルに付いてるジェットレベルだと、十数秒ってとこかなあ。ジェットノズルないし、計ったことないから適当だけど。
「ありがとう。確かに畑に水をまくのには、有効な使い方だね。参考にする」
どうやったら参考になるのか、予想もつかないけど、殿下が納得したんならまあいいや。
「あとは聖と光だけど……」
聖属性は主に回復魔法だから、怪我人いないと使えない。というか、私の魔法じゃ切り傷を塞ぐくらいが精一杯で、骨折なんかだともう無理なんだけどな。
「じゃあ、リヒター。ちょっと腕切ってみて」
「えええっっ!?そ、それはやめてくださいっっ!!」
いくら魔法見たいからってわざと怪我するのはやめてぇぇっ!!オルドル様も剣抜かないでぇぇっ!!
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