最悪なディナー

最高の給仕、 最高の調度品に囲まれ

最高の食器で出される最高の料理

しかし同席者が最悪なスコットのディナーはつつがなく進んだ。


スコットはディナー中に話をしたがったのだがキターゾとラスト・ワンが拒否した。


「「最後の晩餐になるかもしれないんだからゆっくり食べさせてやろう」」


という事らしい、 食後のコーヒーを飲みながらゆったりする二人。

そして彼等の後ろに立つ幹部達。


「ディナーの方は如何でしたか?」


スコットが感想を求める。


「人間の食い物は合わないと思ったが中々に旨かったよ」


ラスト・ワンが高い評価をする。


「以前、 貴方とディナーをした際には酷い評価でしたが・・・」

「アレはお前の所の料理人が悪い」

「なんだとぉ!!」


料理を担当した"バトラー"フレッドが殴りかかる勢いになる。


「落ち着きなさい、 確かに今回の料理は旨かった

しかし俺にはお前の料理が一番だ」

「ぐぬぬ・・・」


フレッドは矛を収めた。


「しかしエルモンドさん、 我々を呼んで如何しようというのかね?」

「私はこの街が好きでね、 早い所戦争を終結させたいと思っている」

「それに関しては俺も同感だ」

「奇遇だな、 私もそれに関しては同意だ」


三人の意見が一致した。


「そもそもこの抗争の発端は何だ?」

「勇者アァアァ」

「そう、 奴への復讐を果たす為にまず競合から潰すという話になった」

「なるほど、 私で良ければ力になる、 資金援助をしても良い

何方か自分こそが勇者アァアァを倒す権利を持つと私を納得してさせてくれ」

「ふぅん、 つまりはアンタを言いくるめばお金が貰えると?」

「そうだ、 その資金で相手の幹部を買収して戦いを終わらせてくれれば良い」

「ちょっと待った」


不機嫌そうな顔になるラスト・ワン。


「それって私に勝ち目が有るか?」

「と言うと?」

「私は人間じゃないし、 こうして話し合いをして

キターゾに理が有ると判断する事がこの会合の目的じゃ無いのか?

最悪悪人だが人間のキターゾにアンタが味方しない道理が無いじゃないか」

「私は人間とかそう言う事で差別しない、 この街の平和が最優先される」

「どうだかな」

「ラスト・ワンを安心させる為じゃないが

俺のファミリーを問題視してアンタを勝たせる場合も有る、 気にしなくて良いだろ」


キターゾが口をはさんだ。

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