支援先決定

「とは言っても俺は勇者に手下を何人も殺された

その中には親友も居たんだ、 俺は悪人だがゲスじゃねぇ

敵討ちは取ってやらなきゃいけない」


キターゾは語った。


「それを言うならば私だって同僚と上司を殺された

敵討ちをする理由は有る」


ラスト・ワンも語った。


「そもそもマフィアと四天王だぞ? マフィアに何の価値が?」

「四天王こそ魔王有っての物じゃないか、 魔王が居ない四天王に何の意味が?」

「・・・・・」


腕をキターゾに向けるラスト・ワン。

キターゾの部下達も各々武器をラスト・ワンに向ける。


「ここでの争いは止めてくれ」

「そうだぞ、 ここを何処だと思っている」


互いに武器を下げる。


「とりあえず今日はお二方、 帰ってくれ」

「うん?」

「どういう事?」

「ここで何方か一方に支援を決めたら

もう一方に攻められる、 後々支援金を送ろう」

「なるほど、 それもそうだな・・・」

「じゃあ今日は解散と行こうか」


ディナーはお開きとなり解散となった。







「エルモンド様、 一体何方に支援をなさるおつもりで?」


帰った後に執事のセバスチャンが尋ねる。


「そうだな・・・貴方は如何思いますか?」


虚空に話しかけるスコット。


「そうだなぁ・・・」


隠れていたクロウが現れる。


「やはり四天王を始末したいかな」

「その心は?」

「四天王は武器を向けたがマフィアは武器を納める様に言った」

「なるほど・・・」

「彼の方に理が有ると判断した、 勇者としても人間としても

協力するのならばマフィアの方だな」

「そうなりますか・・・」


スコットは複雑な顔をしている。


「君の意見は違うのかい?」

「いえ、 私もキターゾ・ファミリーに協力する方向で良いと思います

しかし・・・昔チンピラに両親を殺されたので少し・・・思う所があります」

「なるほど、 気持ちは分からなくはないが

まずは戦争の終結が大事だ、 ここは私情は捨ててくれ」

「分かりました・・・」


悲痛な顔をするスコット。


「・・・暗いな、 少し酒でも呑んだら如何だ?」

「そうですね・・・セバスチャン」

「はい、 50年物のワインを持ってまいります」

「ありがとう、 クロウさんも飲みますか?」

「私は下戸だから遠慮しておくとするよ、 それではこれで失礼する」

「お気を付けてお帰り下さい」

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