事前打ち合わせ

時間は少し前後して

ラスト・ワンの元に集められるレベルマックスの囚人達。

デマ・ハットは自身の情報を吐いた。


「まず儂の情報は古いから今現在の状況とは

食い違っているかもしれない事を念頭に置いて下さい」

「大地震でも起きて街中がしっちゃかめっちゃかになった訳じゃないだろ?

構わん、 離せ」

「は、 はい、 まず我々は分散してマリラーシティの中心部を攻め込み

中心部の少なくとも西半分を制圧しなければならないでしょう」

「何故だ?」

「兵糧の確保です、 中心部西部には街の食料備蓄庫が有ります

儂等も飯を食わねばなりません」

「面倒だなぁ・・・数を減らして食い扶持を減らすか?」

「それだけじゃ無いです中心部西部にはドリーの拠点が有ります」

「ドリー?」

「元Sランクパーティ"輝かしき未来"のリーダーですね」


ダーク・シスターが説明する。


「ドラゴンとの戦闘で四肢の欠損と顔に傷が付き精神に異常をきたしたのか

キターゾ・ファミリーに参加したとか」

「えぇ、 ドリーと奴の手下は魔導義肢を使っている

その魔導義肢のメンテナンスの工房が拠点に有る」

「ドリーと言うのは強いのか?」

「大怪我を負いながらもドラゴンを倒し、 魔導義肢で力が強化されている」

「なるほど、 じゃあ中心部西部を乗っ取りに行くか」

「作戦は如何します?」

「そうだな・・・陽動に雑魚囚人を連れて何人か行って貰って

その隙に西部制圧と行こうか」

「それが良いですかね、 それでは陽動は誰が行きます?」


スッ、 と新しく取り付けられた腕をあげるカーボン・フェイス。


「お、 やる気あるな」

「あ”だら”じい”う”でを”だめ”じだい”」

「なるほど、 じゃあ他に誰か居ないか?」

「じゃあ俺が行くよ・・・俺が行くよ・・・」


ブツブツと呟きながらふらふらと前に出るジャンキーの様な男。


「お前は誰だ?」

「・・・ダイジョブ、 やれる・・・やれる・・・」


明らかに目の焦点が有ってない。


「そいつはシン・ジョーとか呼ばれている異世界の勇者ですよ」


ダーク・シスターが解説する。


「異世界の勇者ねぇ・・・何でこんな事になっているのやら」

「心配です、 私も付いて行きましょう」


ブラッド・アルターが立候補する。


「おう、 じゃあ行って来い」


画して陽動部隊が出発したのだった。

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