激突
ラスト・ワンが差し向けた陽動部隊は目立つ様に行動し
とりあえずマリラーシティ中心部の公園にやって来た。
「・・・誰も来ませんねぇ・・・」
ブラッド・アルターは鎌を肩にかけてぼやいた。
てっきりキターゾ・ファミリーに迎撃されるかと思ったがそれも無い。
「あ”あ”・・・でぎばどご・・・い”だ」
公園にキターゾ・ファミリーの戦争屋"ウォードッグ"ジャクソンが
鋼鉄の牙をぎらつかせながら佇んでいた。
ジャクソンはゆっくりと陽動部隊の元に進んで行った。
「・・・・・来ますか」
ブラッド・アルターは鎌を構えた。
カーボン・フェイスも松明を掲げた、 松明には火が燃え盛っていた。
その火に爆弾が投げ込まれた。
「・・・あ”」
爆弾は大爆発を起こしカーボン・フェイスの頭を吹き飛ばした。
「なっ!?」
「今だジャクソン!!」
キターゾファミリーの戦争屋にしてジャクソンの相方"バスター"ロミオが
爆弾を陽動部隊に投げ込みながら叫ぶ。
ジャクソンは牙をかち鳴らしながら陽動部隊の囚人に噛みついた。
「ぎゃ!!」
顔、 腕、 そして腹、 腹から内蔵を引き摺り出してせせら笑う。
「うわあああああああああ!! 何だコイツううううううううう!!」
「ぐわあああああああああ!!」
そんな惨状を演出していながらも爆弾の投擲は続く。
そしてキターゾ・ファミリー側の兵隊がクロスボウを撃ちながら前に出る。
「何だアイツ!! 仲間が居るのに何でこんな滅茶苦茶やるんだ!?」
"ウォードッグ"ジャクソンは混乱した戦場であっても猟犬の如く敵に噛みつき殺す。
公園は最早一方的な殺戮の場と化し始めた。
「駄目だ!! 逃げろおおおおおおお!!」
囚人達が逃げ始める。
しかし逃げた囚人の首が飛んだ。
「ひっ・・・」
「戻って戦いなさい」
ブラッド・アルターが血濡れた鎌で警告する。
「あ・・・あ・・・あ」
シン・ジョーが囚人の一人の頭を掴んで痙攣し始める。
「・・・何をしているんですか」
「ああああああああああああああああああああ!!」
シン・ジョーからビームが発車されてキターゾ・ファミリーの兵隊を吹き飛ばした。
「おぉ・・・これが彼の勇者の力、 という事ですか」
「勇者がなんぼのもんじゃいいいいいいいいいいいいい!!」
ブラッドがフレイルを振り回しながら突撃した。
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