驕兵必敗
「一気に押し潰す? ここは街だぞ? 街に被害が及ぶと言うのならば黙っていない」
ヴァットが口を挟む。
「分かっているさ、 この街にはマフィアが居るらしいな」
「話に脈絡が無いね、 それが何か?」
「そいつ等を脅してラスト・ワンの居場所を調べさせる」
「お、 おい・・・それは幾ら何でも・・・」
「ならば君達が探すか?」
パイナップルがじろりとマコスを見る。
「無論、 探すつもりだ」
「悪いが待ちきれないんだよなぁ
マフィア連中を手中において情報を手に入れた方が早そうな気もするしな」
「そ!!!!!!! れは厳しいと思うぞ」
ヴァットが制する。
「あん? 何でだ?」
「この街のマフィアを甘く見るな、 殺されるぞ」
「ふん、 俺を誰だと思っている勇者パイナップルだぞ?」
「随分と自信が有るが君は強そうには見えない」
「強そうに見えないね、 じゃあこれなら如何だ? 強そうに見えるか?」
パイナップルは少し大きくなった、 天井に頭がぶつかった。
「それが貴方の能力か?」
「その通り、 俺は巨大化する事が出来る
相手がどんなに強かろうが巨大化して潰しちまえば良いだけの話さ」
元のサイズに戻るパイナップル。
「しかし能力を発動する前に殺されたらどうする?」
「俺はこう見えても歴戦の強者だ、 四天王を倒した経験はないが
魔物共の軍勢を蹴散らした事等20や30の数ではない
アァアァは四天王を倒した功績がデカいから評価されるが
俺の功績は数は多い、 侮って貰っては困る、 隙なんぞ俺には無い
分かったらさっさとマフィアの場所を教えてくれ」
「・・・・・無謀過ぎる・・・教えられない」
「なら自分で調べて行くさ、 邪魔したな」
手をひらひら指せてパイナップルは会議室の外に出た。
「・・・勇者と言うのは自分勝手なのか?」
「どうだろう!!!!! 私には分からないが・・・一つ言える事はある」
「それは?」
「あの勇者は翌日死体になって見つかるだろう」
「そうだな・・・驕って勝てる相手ではない・・・」
ヴァットの言葉は正解だった。
翌朝パイナップルの死体が市内の木の一本に吊り下げられた発見されていた。
背後から心臓を一突きされたのが直接の死因である。
そして背中には『お前が直接来いアァアァ!!』とナイフで刻まれていた。
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