家令達

一方その頃、 マリラーシティのスコット家の屋敷では

マリラーシティの大富豪スコット家の家令セバスチャン・サベージが息を切らして

主人の所にやって来る、 老齢だが未だに足腰は健全である。


「ご主人様!!」

「分かっている!! 囚人達の大脱走だろう!?」


スコット家当主、 エルモンド・スコットはセバスチャンの言葉に絶叫で返す。


「い、 如何なさいますか?」

「自警団は如何なっている!?」

「市民達の避難誘導を行っていますが・・・厳しいですね

レベルマックスの超凶悪犯が脱走して大暴れしています」

「家令達を全員出して構わない!! 避難誘導の手伝いに向かってくれ!!」


スコット家のみならずマリラーシティの富豪の使用人は全て戦闘能力が備わっている。

そうでもしなければ真っ当な生活などマリラーシティでは送れないのだ。


「家令を全員・・・エルモンド様は!?」

「私は残ってメイド達と準備をしよう!!」

「準備とは!?」

「市民達への救援物資の準備だ!! 倉庫の鍵は私が持っている!!」

「分かりました!!」


セバスチャンは大急ぎで家令達を集めた。


「良いか!! これより我々は自警団の避難誘導の手伝いを行う!!」


家令達の前で叫ぶセバスチャン。


「家令長!! ご主人様は避難なされないのですか!?」


若い家令がセバスチャンに尋ねる。


「ご主人様は避難なされない!!」

「何故ですか!? ご近所の方は逃げる方もいらっしゃいますが」

「スコット家は代々マリラーシティを心血を注いで育て上げた

エルモンド様は逃げ出すなんて事はしない!!

我々も逃げ出さない!! 行くぞお前達!!」

「家令長!! 貴方も行くのですか!?」

「無論行くつもりだ!!」

「しかし家令長は・・・その・・・」

「年寄りだと? 甘く見るな、 これでも王国マラソンにも現役で出場し踏破している

それにこの街は幼い頃から表通りから裏路地迄全て知って居る

老齢だからと侮るな」

「はっ、 申し訳ありません」

「念の為に言っておくが危険な囚人と出会ったら直ぐに逃げろ

レベルマックスの囚人は危険過ぎる!! あくまで我々の目的は市民の避難誘導だ!!」

「了解しました!!」

「では行くぞ!!」

「「「「「はい!!」」」」」


家令達は勢い良く街中に飛び出して行った。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る