スナイダーの告白

王国の首都キングスシティ、 王城の隔離塔に近衛を連れて向かうレオニコイド。

そして一室に入る。


「父上、 失礼します」


そこは身分が高い者が幽閉される部屋である。

四六時中監視される場所であり、 自殺も逃亡も不可能である。


「レオニコイド・・・!! 貴様ッ・・・!!」


そこに囚われている前王キング・スナイダー。

みすぼらしい服を着せられ憔悴している。


「何故、 そんな恨みの籠った目で見られるのか理解出来ませんね」

「貴様がワシを追い落としたんだろうが!!」

「貴方が勇者殿を殺そうとした結果でしょう、 お陰で私は仕事に追われています・・・

そんな事より貴方に聞きたい事が有ります」

「何だ!?」

「姉上についてです」

「姉・・・エリザベスについてか!?」

「えぇ、 病死と聞いていましたがその実失踪だったとは初耳です

しかもマフィアに身を寄せているとの情報も有ります」

「なっ・・・」

「どういう事かご説明願いましょうか?」

「し、 知らん!! ワシは何も知らん!!」

「そうですか、 おい」


見張りの兵に声をかける。


「拷問官を呼べ、 情報を吐いたら私に伝えろ」

「待ってくれ!! 本当に知らないんだ!!

アイツがマフィアに入った事なんて知らなかったんだ!!

失踪しただけだと思っていたんだ!!」

「では何故失踪したのですか?」

「それはワシの妻の生まれ故郷の住民を皆殺しにして村を焼いたからだ!!」


軽蔑した目線でスナイダーを見るレオニコイド。


「それは情報が漏れた時に聞きましたが、 何故そんな事を?」

「美しい女がいたから物にしただけだ!! そんな女が田舎の村の出身だと言う事は恥!!

だから燃やして証拠を消したのだ!! それを言うとあの小娘は私を罵倒して・・・

思い出すだけで腹が立つ!!」

「この外道が、 お前の様な男の血が我が身に流れていると思うとゾッとする」

「何だと!?」


レオニコイドはそう言って振り返った。


「拷問官を呼べ」

「待て!! 本当に何も知らないんだ!!」

「去勢しておけ」

「は?」

「貴方の様なゲスには似合いだ」

「待て、 待てええええええええええええええええええええええ!!」


絶叫をするスナイダーを後目に塔を立ち去るレオニコイド。


「うぎゃあああああああああああああああああああああ!!」


塔からその後絶叫が響いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る