イトマリのパーティ

勇者達の会合が終わりそれぞれマリラーシティに向かう勇者達。

首都在住のイトマリは王家に報告に向かうと

豪勢な馬車で揺られながらマリラーシティに向かった。


「他の勇者達は何と言うか品が無い連中でしたね」


イトマリパーティの戦士ヘンリーが馬車の中で口を開いた。


「それでもこのフル装備の私と同等の戦闘能力はあった」


イトマリはあらゆる物を数値化出来る能力を持っている。

戦闘能力を測る事も容易。


「あの偉そうなソロの勇者二人、 あいつ等の戦闘能力はどの位なんですか?」


イトマリパーティの魔法使いルークが尋ねる。


「パイナップルと言う奴の戦闘能力は大した事が無い

恐らく能力が強いんだろう、 クロウと言う奴の戦闘能力は凄まじかった・・・

アァアァに次ぐ戦闘能力だ」

「鍛えてるんですかねぇ・・・」


イトマリパーティの僧侶のビュットが溜息を吐く。


「金に糸目を着けない装備を身に着けても最後に役立つのは体

って事ですかね?」

「アァアァは寧ろ体作りに金に糸目を着けてないと思うが?」

「それは言えてますね」

「そうでもないでしょう、 アイツは聖剣を持ってますし」

「聖剣かぁ・・・」


聖剣は特別な者にしか使えない剣である。

例えるならば体重100kg以上とか身長190㎝以上とかそう言う制限がある。


「制限が有るのは辛い・・・私は勇者だが勇者に人生全てを捧げる程では無いんだ

お前達もそうだろう?」

「そうですね」


勇者イトマリのパーティは全て実家が貴族出身者である。

その為、 王国への忠誠は有るが自己保身が第一である。


「まぁ我々は安全に立ち回ろう、 他の勇者達に任せようでは無いか」

「それもそうですね、 所でイトマリ様、 先程のエリザベス様が

キターゾファミリーに身を寄せていると言うのは事実ですか?」

「報告のついでに尋ねたが向こうも寝耳に水だった様だ」


エリザベス・トゥーン、 スナイダー政権では長子に当たる王女だったが

ある日、 病死したと発表された、 しかしそれはキング・スナイダーが発表したデマで

事実は数名の近衛と共に失踪だったとの事らしい。


「スナイダー政権・・・闇が深すぎるな」

「そうですね・・・いったい何人の人間が闇に葬られたのやら・・・」


遠くの空を見上げるイトマリ達だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る