厳禁行為

「しかしマリラーシティにはキターゾファミリーが居る

そいつ等にも気を払う必要があるのではないか?」


クロスワードがカルアミルクに尋ねる。


「キターゾファミリー?」

「何だそりゃ?」


クロウとパイナップルが尋ねる。


「マリラーシティを拠点として王国に版図を拡げるマフィアですね

勇者アァアァが何とか勢力を押さえましたが

未だに本拠は落せていません」


カルアミルクが説明する。


「マフィアなんて社会の屑だろ? 問題無い」

「そうも言っていられない、 彼等は高度に組織化されている

某国の王族を拉致して身代金要求も行っている」

「マフィアに攫われるとか警備体制どうなってんだその国」


けらけらと笑うパイナップル。

クロスワードがぎりりと歯軋りをする。


「連中の組織体制は高度になっています

まずはキターゾファミリーの首領"グラン"キターゾ

最近身代金代わりに釈放要求が有り解放された組織のナンバー2"バディ"サウス

そして組織のナンバー3"マザー"カイ、 その下に多くの幹部達が居ます」

「噂では元Sランクパーティメンバーや勇者

王国騎士、 王国の王族なんかも居ると聞いていますが・・・」

「王族は初耳ですね」


クロスワードの言葉にカルアミルクは驚いた。


「聞いていないのですか? 王国のエリザベス・トゥーン王女殿下が

キターゾファミリーに居ると言う情報を入手したのですが」

「初耳です、 事実確認をします」

「ほらじゃねぇのか?」


パイナップルが疑問を口にする。


「いや、 クロスワード殿は王国にも名高い勇者だ

無根拠な事を言う筈が無い」


マルタが擁護する。


「マフィア達に警戒しながら脱獄囚を捕え、 ラスト・ワンを葬る

これは8500万でも安い仕事かもしれませんな」


オウルが愚痴る。


「大勢で割ればそうなるだろう」

「つまり我々同士で殺しあえと?」

「ば、 馬鹿を言うな!!」


パイナップルとクロウの言葉をイトマリが激昂して制する。


「勇者アァアァは嘘を探知する能力が有る!! そんな事をすれば一発で看破されるぞ」

「ふん、 どうせ、 この中の奴が全員生きて帰れる訳は無いんだ

勇者じゃない足手まといが居るからな」


パイナップルが他の勇者の仲間を見る。


「パイナップル殿、 貴方の仲間は?」

「俺に仲間は要らん、 俺は1人でも強いんだ」


けらけらと笑うパイナップル。

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