先立つ物は必要で

囚人達を解放するダーク・シスターとラスト・ワン。


「これでレベルマックスの囚人は全て解放しました」

「レベルマックス? またSランクとかの格付けみたいな物か?」

「えぇ、 囚人はレベル1~5に分けられ最高レベルはレベルマックスと」

「あぁ、 わかったわかったつまりレベルマックスの奴が一番強い囚人なんだな」

「まぁそんな理解で良いかと・・・」

「さてと・・・じゃあお前達!!

お前達にはこれからキターゾ・ファミリーと戦争をして貰う!! 異議は認めない!!」


ざわつく囚人達。


「はい、 大将!! 質問が有ります!!」


囚人の一人が挙手する。


「俺の事か? 何だ?」

「給料は幾ら出ますか!?」

「きゅう・・・りょう・・・? 魔物にはそんな言葉は無い」

「ギャランティとも言いますが」

「知らん」

「月賦とも言います」

「知らん」

「平たく言うとお金が欲しいです」

「やらん」

「えぇー・・・」


しょぼくれる囚人。


「俺はめっちゃ強いので俺にだけお金下さい」

「何言ってんだお前!! ふざけんな!!」


他の囚人からブーイングが出る。


「待てよ・・・お前、 どっかで見た事有るな」

「俺はゴールド・ジャンキーと名乗ってます」


囚人のブーイングが止む。

ゴールド・ジャンキー

嘗て自分を高く評価した方に着くと魔王と王両方に宣伝を行った結果

勇者アァアァに捕縛された、 その実力はアァアァもてこずる程だったと言う。

能力は手に入れる金が増える能力で戦闘には無関係なのにも関わらずだ。


「手に入れた金が増える能力ならばお前に金を渡して

その金を俺に渡して、 そしてお前に金を渡すで無限に金が増えるのでは?」

「その場合は金の貸し借りとなるので増えないです」

「そうなのか・・・」


何れにせよ、 かなりの戦力が手に入りかなり上機嫌のラスト・ワン。


「金ならば問題無い、 こいつが払う」

「私ですか!?」


ダーク・シスターが驚く。


「俺が人間の金なんて持っている訳無いだろ」

「じゃあ何処か襲いましょうよ、 銀行とか」

「四天王主催で銀行強盗ですか、 それならば行きたい人も多いでしょう

行きましょう行きましょう」


囚人達がわーっと盛り上がる。


(即座に銀行を襲う発想になるとはこの女怖いな、 距離を取っておこう)


ゴールド・ジャンキーはひそかにそう思った。

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