刑務所襲撃

時間は少し遡り、 ダーク・ファミリーの避難場所に佇むラスト・ワン。


「残りはこれだけか・・・」


ダーク・ファミリーとラスト・ワンの子飼いの魔物、 合わせて100に届くかと言う所である。


「如何しましょうか・・・」


ダーク・シスターが項垂れる。


「認識を改めよう、 人間は予想以上に出来る」

「はぁ・・・それで一体これから如何しますか?」

「こちらも人間を使おう、 丁度良い所に人間の屑共が居る所があるじゃないか」

「ま、 まさか・・・」

「ブラックヤード刑務所を襲撃する、 そこに囚われている連中を兵力として加える」

「お、 恐れながら危険過ぎます、 ブラックヤードには警備にも囚人にも勇者が居ます」

「勇者全てが魔物の敵ではない、 ブラックヤードには我々の味方になり得る勇者が居る」

「そ、 それは一体・・・」

「兎に角、 ここは疾く行動だ、 行くぞ」

「え? 今すぐに行くんですか!?」

「当然だ、 待つ理由が何処にある?」

「・・・・・」


そしてブラックヤード刑務所に向かうラスト・ワン達。

ブラックヤードの刑務官の数は1500人、 数では15倍の差だがラスト・ワンの戦力は凄まじい。

圧倒的な力でブラックヤード刑務所を陥落寸前に追い込む。


「圧倒的だな、 俺は」


自画自賛しながら刑務所の奥に進む。


「待てい!!」


シュタ!! とラスト・ワンの前に降り立つ二人の男。

一人は空中に立っている若い男、 もう一人は太った男。

双方刑務官である。


「お前達、 勇者か?」

「あぁ、 刑務所の勇者シーザー」

「同じくマリラーシティの勇者、 ハントマン!! お前はここで止める!!」

「ふん・・・ん?」


ラスト・ワンの足が上がらない、 床がねばねばしている。


「これがお前の能力か」


勇者には通常の人間よりも高いステータスの方に魔法とは違う特異な能力が備わっている。

ハントマンの能力は地面をねばねばにして相手を移動不可能にする能力!!

そしてシーザーの能力は空中を歩く事が出来る能力!!


「つまり俺は一方的にお前を空中からボコれるって事だ」

「ほう」

「ラスト・ワン様!!」


ダーク・シスターが叫ぶ。


「あぁ、 こっちに来なくていい、 たかがこの程度軽く超えて見せよう」

「この程度だと? この状況を如何にか出来るのか?」

「ふん、 アァアァならまだしもお前等程度の勇者2人で如何にか出来ると思うのか?」

「質問を質問で返すな!!」


シーザーが激怒してラスト・ワンに突っ込んだ。

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