暗転

レオニコイドは考えたが派兵に罹る諸々の処理が大変なので勇者アァアァに丸投げる事にした。


「あり得ない!! 仕事が大変だから丸投げると!?」

「もう仕事量が多過ぎるんだ・・・」

「私も手伝います!!」


テルテが絶叫する。


「しかしテルテ殿、 マリラーシティでの行軍は聊か無理があると思う」


ステートが反論する。


「王国騎士団が滞在する事でマリラーシティで起こるであろう

問題事に対処出来るのか疑問です、 ここは勇者殿に任せ少数精鋭で行くのがベストかと」

「しかし!!」

「大変です皆様方!!」


伝令が会議に割り込んで来る。


「今度は何だ!?」

「四天王最後の一人、 ラスト・ワンがマリラーシティの

ブラックヤード刑務所を襲撃しました!!」

「な、 何だって!?」


ブラックヤード刑務所はマリラーシティに存在する国内最大の刑務所である。

そこに囚われているのは王国各地から集められた悪のエリート達である。


「馬鹿な・・・何故!?」

「分かりません!! 脱走者が多数出ています!!」

「ブラックヤードに収監されている囚人の数は!?」

「甘く見積もっても1万人は軽く超えます・・・」


脱力するレオニコイド。


「・・・・・勇者殿に連絡を入れろ」

「陛下!!」

「テルテ、 最早これは勇者だの何だの言っている事態ではない

カル騎士団長、 王国騎士団にも動いて貰う」

「了解しました!!」

「事態はまるで呑み込めないが国家の危機だ!! 諸君らも注意してくれ!!」

「「「了解しました」」」


画して会議は終わったのだった。


「・・・・・少し仮眠を取る」

「そうなさった方が良いです、 目に隈が出来ていますよ」

「父上、 いや前王の不始末で殆ど寝れてないからな・・・」


レオニコイドがふらつく。


「そう言えばマリラーシティにはマフィアも居た筈だ」

「キターゾ・ファミリーですな、 連中には散々な目に遭わされています・・・

勇者殿のお陰で多少は大人しくなりましたが・・・」

「連中がこの機会に大人しくしているとは思えない

暫くはマリラーシティにも警戒せねばならないな・・・」


そう言って机に突っ伏すレオニコイド。

最早彼の疲労はピークを越えておりベッドまで持たなかったのだ。


「担架を持ってこい、 ベッドまでお連れするのだ」

「了解いたしました宰相殿」

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