第9話 新しい護衛と嫉妬の弟
ベリルはあの日、この城で働かせてくれと言ってきたので俺の二人目の護衛として雇うことにした。
もちろん一人目はリュークだ。
リュークは12歳にして騎士団の団長になっているから、何かと忙しい。
だからここ数日の俺の業務の手伝いは全てベリルがやってくれている。
ベリルは思ったよりも優秀で、戦闘の実力を知るために俺をさらったリュークのキング・スライム討伐の手伝いをさせた。
リュークとベリルの連携はバッチリで、リュークは城でキング・スライムと遭遇したときとは全く違い、ベリルは魔法もいくつか習得しているようで援護から主攻撃まで多岐の役割をこなしていた。
ベリルが獣人であることから、城で働かせることに意義を唱えるものも多数いた。
というかほとんどがそうだった。
だが、俺はその反対を全て押し切りベリルを雇ったし、優秀だったために他の奴らは面白くないようだ。
「おいそこの獣人!」
「どうした?」
ベリルがコテンと首をかしげる。
「この資料、全てお前が確認しろ。」
そう言って使用人の一人が自分の仕事をベリルに押し付ける。
だがベリルはこんなことでは全くくじけずに、逆に嬉しそうに笑顔を浮かべ、
「いいのか!ありがとう!ちょっと頼られてるみたいで嬉しいな!」
なんて言うくらいだ。
何かを任されるのが嬉しいようで、どんな面倒な仕事も引き受けてしまう。
「なぁ…流石に仕事引受けすぎじゃね?ただでさえ俺の任せる仕事で手いっぱいだろうに…」
「そんなことない!任せてもらえるのは嬉しいからな、どんどん自分に任せてくれ!」
狼の耳をピンッと嬉しそうにたたせ、フサフサの尻尾が揺れる。
俺は尻尾に抱きついてみた。
「キャン!!びっ…びっくりした!」
思ったよりもフワフワで、俺はそのままベリルの尻尾を枕にして眠ってしまった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
目が覚めると、俺はなぜかリュークの膝の上にいた。
顔をあげるとニコニコと満面の笑みを浮かべるリュークの顔がある。
「あれ…俺いつの間に、というかなんでリュークの膝の上にいるんだ?」
リュークは俺の頬にそっと手をおいて、言った。
「帰ってきてみれば兄様がベリルの尻尾を枕にして寝ているし、ベリルは満更でもない顔しているで…もう少しで嫉妬と怒りで魔王にでもなるところでしたよ…」
えっ…
あぶねぇ…もうちょっとで阻止しようとしてるはずの魔王作りあげるところだった。
すると、リュークは俺の体を起こしキスをした。
「んっ…んんっ…///」
リュークの舌が俺の舌を離すまいと絡んでくる。
なんでだろう…今までこんなことされると怖いし気持ち悪いしで吐きそうだったのに、今じゃキスだけでもう気持ちいい。
リュークはキスをしたまま、ゆっくりとシャツのボタンを外す。
「ふあっ!ま…まっへ…///」
この城の中には鼻のきくベリルがいる。
もしこんなところを見られたら、恥ずかしくて死んでしまいたい。
「だめだよ…兄様。俺に嫉妬させるなんて、悪いことしたんだからお仕置きをしないとね…」
どんどん俺の服が脱がされていく。
俺は全裸にされると、抱き上げられ椅子の上に座るリュークの膝の上に座る。
リュークはこれでは満足しなかったらしく、俺の足を思い切り開いた。
この格好じゃ誰かがドアを開けたとき、俺の恥ずかしいところが全て丸見えだ。
「や…嫌だ…リューク、これは嫌だ!」
俺は涙目になりながらもリュークに訴えかける。
リュークはだめと言って、リュークの指が俺の中に入り込んできた。
「うわぁっ!!んっやだっ…///」
ぐちゃぐちゃと音がなる。
すると、ガチャッとドアが開く音がしてベリルが部屋に入ってきた。
「なぁクレオ!さっき使用人達が話していたん…だ…が…えっ…ク、クレオ?///」
みるみるうちにベリルの顔が赤くなる。
そんな、どうしよう…この状況。
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