番外編 黒猫

 2月22日にゃんにゃんの日という事で書いた話になります。本編とは関係ないの飛ばして頂いても平気です。本編の方も進めたいのですが、話の構成に時間がかかってしまいもう少しかかりそうですが、4月には完結出来るように感張りますので応援よろしくお願いします。

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 朝の日差しがカーテンの隙間から部屋へと入り、心地よいある日の事。


『う~ん!気持ちのいい朝だなぁ…』


 にゃー…にゃんにゃんにゃん。


 近所の猫も起きたのか?家の中なのに猫の声が聞こえた。


 まぁ、最近は猫ブームで猫を買う人も増えたみたいだし近所さんが新しく猫を買い始めたのだろう。


 それにしてもおかしいなぁ…なんか、視線が低いような気がする。


 それに、いつもなら腕を上に上げてぐっーと上に伸びるはずなのに?なぜかベッドに顔をすりつけてお尻を上げるポーズをしていた。


 猫の鳴き声を聞いたから猫の真似でもしたのか?俺は寝惚けているんだ。


『うん!たぶんそうだよなぁ…ご飯を食べれば元に戻るはずだ』


 ご飯を食べに行くため、ベッドから起き上がろうとするが、ベッドに足がつかずベッドから落ちてしまった。


『ぎゃーー!』


 にゃーーー!。


 また、タイミングよく猫の鳴き声が聞こえた。


『おかしいなぁ…』


 にゃにゃんにゃ…。


 ベッドから落ちたはずなのに、お尻は痛くないし、なぜか床に俺は座りこんでいた。


 視線が高い気もするような!もしかして、子供になってる。


 そんな事はないだろうと恐る恐る部屋にある鏡を見ると黒猫が写っていた。


『なんじゃこらーーーー!?』


 俺がびっくりして腕を上げると鏡に映る猫も右手を上げた。


 鏡に映る黒猫を触ろうと鏡を触るとピンクの肉球が鏡にあたるだけだった。


 もしかして、さっきまで聞こえた猫の鳴き声って俺がだした物なのか?確かによく考えて見るとタイミングがバッチリだ。


『太陽ーーー!』


 にゃーーー!。


 試しに太陽の名前を呼んでみたが、やっぱりにゃーとしか言えてなかった。






 ーーーーーあれから1時間後。


 やっぱり戻らないようなぁ…嘘だと思いベッドに入り、寝ようとするが寝れずベッドでゴロゴロしているだけだった。


『どうしよう…』


 にゃにゃーん……。


 言葉を話そうにもにゃんとしか話せない。


 今日は、学校なのにそろそろ出ないと遅刻になってしまう。


『しかも、 今日は仕事が早いからって親はいないし…どうしようもないなぁ…』


 もう、ふて寝をしようとしたら玄関が開く音がした。


『猫だから耳も良くなるのか?この時間に家に入ってくる人はいないし泥棒か??』


 警戒しながらリビングに降りるとそこには太陽がいた。


『燐?』


『そうーーーー!』


 にゃーーーー!。


 太陽が名前を呼ぶからつい答えてしまった。


『燐?』


 俺は嬉しくなって太陽の足下へ行きスリスリと頭を何度も擦り付けた。


 あれから数分間はひたすら太陽に甘えるようにゴロゴロと喉を鳴らしながらスリスリとした。


『こーら、そろそろスリスリやめないとはげちゃうでしょ?』


 脇の下に手を入れられ腕に抱き込まれた。


『そんな事言っても、嬉しかったんだもん!!』


 言葉はにゃんとしかならないが、気持ちを伝えようと全身でアピールした。


 喉はゴロゴロ鳴り続け、尻尾は太陽の腕に絡み付き離れないと意思表示をしていた。


『燐は可愛いねぇ…』


『えっ?』


 にゃっ?。


 不安な気持ちで押し潰されそうな時に名前を呼ばれたから、嬉しくてスリスリしまくった。


 よーく考えてみるとなんで猫が俺だとわかっただ。


『わかるに決まってるよ!この可愛い顔にこの匂い、影からこっそり俺を覗く姿は燐そのものだったからね』


 しかも、話してもないのに気持ちまで伝わってる。


『燐は顔に出やすいタイプだからね?わかるよ』


 なんと…そんなに顔に出ているのか?猫の手で顔を触るが、動物特有のもふもふした毛触りとピーンと張るひげがあたるだけだった。


 猫の顔で表情がわかるとか太陽は何者なんだ。


『ただ燐の事が大好きな人間だよ』


 俺が猫になってもチュチュとナデナデはあり、いつも通りの太陽にほっとするのであった。


『ひゃん!』


 にゃん!。


 俺の背中をナデナデしていた太陽の手が前に回り手が乳首に触れた事で声が出てしまった。


『なにするんだよーーー!』


 にゃにゃんにゃーーー!。


 俺が抗議の声を上げているに乳首を触る手は止まらず、乳首を刺激し続けた。


 ついにその手が下に行き俺の大事な大事な物に触ろうとするからついにネコパンチを食らわせた。


『やめろーーー!』


 にゃーーー!。


『あれ?』


 ここはどこだ。


 気づいたらベッドの上にいた。


『夢なのか?』


 階段をだんだんと音を鳴らしながら上がってくる音がした。


『こらー!いつまで、寝てるの?ご飯出来てるからさっさと起きないと遅刻するよ!!』


『はっ!』


 お母さんの一言で俺は目が覚めた気がした。


『やっば!急がないと遅刻する』


 急いで制服に着替え鏡で身なりを整えるとそこには夢に出てきた猫になった俺がいた。


『えっーーーー!夢じゃないの??』


 もう一度、鏡を見るといつもの俺がいた。


『???』


『りーん?ご飯!』


『はーい!今行く!!』


 そうして、いつも通りの日常に戻るのであった。

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幼馴染みが大好きなのに正直になれず空回りして話が進まない… なの花畑 @nanatunoumi

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