第13話 風邪

 ついに100PV突破しました!!エピソードに応援や星で称えてくださった方々のおかげでここまでは書くことが出来ました。また、お読み頂いた皆様ありがとうございます。これからも、読みやすく・ クスッと笑えるような楽しい物語を書いていきたいと思います。長くなってしまいましたがこれからもどうぞよろしくお願いします。

 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


『ゲホ…ゲホ…ぅん』


 俺はベッドで咳をして、温かい布団の中に潜った。


『寒いなぁ…』


 体温が高いからなのか、季節は夏だというのに寒く感じた。


『エアコンの温度低いのかな?』


 エアコンの温度を確認したいが、体がだるくて動きたくない!でも、確認しないとなぁ…このままだと布団の中で震えるしかない。


『よし起きるぞ!!』


 自分を元気づけて勢いよく起き上がったら、めまいがした。


『ぅ…クラクラする』


 世界が回ってるような感じがして、さっきまではなかった吐き気までしてきた。


 せっかく起き上がったのにベッドに戻る事になった。


『はぁ、最悪だ!!』


 学校も休む事になったし…何より太陽に会えないのが寂しいよ~!朝から頭が痛いなぁと思っていたが、気にせず制服に着替えてリビングに降りたらお母さんがいて俺の体調変化に気づいた。


『本当に凄いよなぁ~自分では軽い頭痛だけだと思っていたのに熱があるってわかるの!!』


 親は子供の変化に敏感ですぐに気づくと言うが、何でわかるんだろうなぁ?頭痛がする時は頭がぼっーとして考えるのも大変だ。


『その後の対応も早かったしなぁ…』


 すぐに熱を測られて、学校に休みの連絡と太陽に休みの連絡してくれて俺は布団の中に入れられた。


『37度だから行けると思ったけど…お昼になって熱は上がったから休んでよかったなぁ』


 まさか、夏に風邪をひくとは思わなかった。


『エアコンのかけすぎかな?』


 エアコンの温度上げたいのに動けない…リモコンはベッドから起き上がって5歩ぐらいの距離にあるのに!!いつもは近いと感じる距離も長く感じる。


『寒いなぁ…』


 ガチャ…誰だと思ったらトレーを持ったお母さんが入ってきた。


 よく考えるとこの時間に入ってくるのは、親ぐらいしかいないじゃん!!思考が全然働いてないなぁと思った。


『燐ちゃん~体調はどう?お粥作ってきたから食べてね』


『頭痛いし…寒い』


 こんな時に格好つけても意味ないし正直に伝えた…それに、親に格好つけても意味ないしな。


『本当ね~熱が上がってるわね』


 お母さんの手がおでこにあてられた。


『今は37度5分ぐらいかしらねぇ?』


 手で測るとか凄いよなぁ…後で体温計で測ろうと思うがたぶん当たってると思う。


『エアコンの温度上げて』


『そうね!24度だったから25度ぐらいでいいかしら?掛布団もう1枚だす??』


『25度でいいよ!タオルケットもう1枚欲しいかな』


『タオルケット出してくるからお粥食べてね』


 お母さんはトレーにのった小鍋をトレーごと俺に渡すと部屋から出ていった。


『ふぅ、疲れたなぁ』


 風邪をひいた時は何をするにもだるい!親と放すのに疲れるとかどんだけ疲れているんだ。


『とりあえず、お粥を食べよう』


 小鍋の蓋を開けると出汁のいい香りがした。


『卵粥だぁ!さっきまで食欲なかったけど食べれそうだ…』


 スプーンを持って卵粥に口をつけた。


『うまい…エアコンで冷えた体が暖まるなぁ』


 食べ始めるとあっという間にお粥を食べてしまった。


『ふぅ…お腹いっぱいだ』


 食べ終わったけど…このトレーはどうしたらいいんだ??お母さんを待っていると部屋に戻ってきた。


『燐ちゃん~お待たせ!!タオルケット持ってきたわよ』


 トレーを机に置いて、タオルケットをかけてくれた。


『ありがとう…』


『あっ!!薬飲んでね』


 お母さんはエプロンに入ってた風邪薬を渡してきた。


『水はまだ残ってるけどこれで足りるかしら?』


 お粥と一緒にあったコップを渡された。


『それぐらいあれば大丈夫だよ』


 お粥を食べる時に少し水を飲んだが、半分は残ってるから薬を飲めそうだ。


『ならよかったわ』


 薬を飲んでコップをお母さんに返した。


『体温計で熱を測ってゆっくり寝てね!あとエアコンのリモコンはベッドの近くに置いておくわよ』


『うん…』


 お母さんが部屋から出ていくと 、渡された体温計で熱を測った。


『37度5分…母さんが言ってた通りだ!』


 凄いなぁ…体温計をケースに閉まって俺は目を閉じた。


 ご飯を食べて薬を飲んだからか俺はすぐに寝れた。







◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






『頭が痛いなぁ…』


 頭が痛くて目が覚めるとすっかり夕方になっていた。


『もう5時半かぁ…』


 お昼に風邪薬を飲んだから効果が切れたみたいだ。


『はぁ…なんかさびしいな』


 風邪をひいた時はなんかさびしくなる…ここに太陽がいたらいいなぁと思う。


『あっ!!スマホ見てない』


 朝から鞄に入れっぱなしで気にしてなかったなぁ…太陽からメッセージきてるかな??俺はゆっくりと起き上がった。


 さっきは勢いよく起きたせいで布団に戻ったからな!!俺も学習したんだ。


『メッセージ来てるかなぁ』


 スマホを開くと太陽からメッセージが来ていた。


『えっ????これから来るの?』


 メッセージを開くと…学校からのプリントを渡しに行くと書いてあった。


『やった~!!太陽に会える』


 でも、風邪が移ったらどうしよう…それに、今日はずっと寝ていたから髪の毛はボサボサだし汗もかいてる。


『どうしよう…会いたい!!風邪が移らないようにマスクをして髪の毛を整えよう』


 太陽と会えると思ったらさっきまであった頭痛何て吹き飛んでいった。


『急がないと!!』


 本当に風邪なんかというぐらいに素早く動いてマスクをして髪の毛を整えた。


『ふぅ…これで平気かな?』


 するとピーンポーンとチャイムの音がかすかに聞こえた。


 俺は自分の部屋から耳をすませた…聞こえるかな??おっ!かすかに聞こえる。


『こんばんわ………元気…』


 太陽の声が途切れ途切れに聞こえる…何を話しているのかな??母さんと話している声が聞こえた。


『それで…会っても……』


『えぇ、もち……』


 俺の部屋からは声がかすかに聞こえるレベルでイライラする。


『何て話しているだ??気になる!!』


 そんな事をしていたら、階段をのぼってくる音がした。


『やば…』


 俺は急いで布団に入った。


 コンコンとノックの音がなった。


『どうぞ!』


『失礼するよ』


 学校終わりに来たのか制服を着たままの太陽が入ってきた。


『熱は下がった?』


『だいぶ下がったと思う』


『思う?測ってないの??』


『さっき起きたから…』


 本当は太陽が来るの知って急いで準備をしたから忘れた。


『えっ?』


 気づくと太陽の手がおでこにあった。


『うーん…37度ぐらいはありそうだね』


『そう?』


 ビックリした!!急に熱を測られた…しかも、太陽が俺のベッドに腰かけている。


『あっ!ごめんね、驚いた??』


『別に平気だ…』


 本当は驚いたんだからなぁ~!別に太陽だから平気だけどな!!熱が出ても素直になれなかった。


『ごめんね…』


 別に俺は怒ってないのに太陽が頭をポンポンしてきた!!最近はおでこにチュチュしてくれるが熱が出ている俺を気遣ってか今日はしてくれなかった。


『平気だ…』


 いつも、チュチュされるのは恥ずかしくて嫌だがされないとなんかさびしく感じた。


『プリントを渡しにきただけだから、今日はもう帰るよ…ゆっくり休んでね?』


 太陽は立ち上がろうとした。


『えっ??』


 もう帰るの?もう少しいてくれないの??風邪のせいなのか心が弱っているみたいだ。


『どうしたの?』


 俺は気づいたら太陽の制服を掴んでいた。


『はぁ…』


 太陽がため息をついた…俺は余計な事をしたのか??俺は太陽に甘えたいと思ってしまった。


『そんな顔をしないで?』


 そんな顔…俺はどんな顔をしているんだ??髪は直したからボサボサじゃないと思うけど変な顔をしているのか??俺は嫌われたのか心配になった。


『どんな顔だよ!!』


『はぁ…』


 また太陽がため息をついた!普段なら平気なのに今日は心が弱っているからなのか俺は泣きそうになった。


『泣かないで?』


 俺の涙を拭いてくれた。


『お前が泣かせているんだろ?』


 俺はつい太陽に当たってしまった…いけないとわかっていても理由がわからなくてイライラするし心が不安定で泣けてくる。


『燐が可愛い顔をするからいけないんだよ?そんなさびしいって顔で表現されたら帰れなくなっちゃうよ』


『えっ?可愛い顔??』


『本当に無自覚なんだから…そんな顔を俺以外に見せたらお仕置きするかるね?』


『ぅ……わかった』


 そんな顔と言われても自分ではわからないからがとりあえず努力はする。


『本当にわかってる?』


 俺の頬を撫でながら聞いてきた。


『努力はする……』


『いいこだね』


 さっきはチュチュしてくれなかったが髪の毛にしてくれた。


 さっきはしてくれなかったからめっちゃ嬉しい!!俺は太陽に向けて微笑んだ。


『はぁ…可愛いすぎる💕風邪でうるうるの瞳にふにゃんって微笑んでる燐は天使だ!!いや俺を誘惑してくる小悪魔かも…』


 太陽は何かぶつぶつと言っているが聞こえなかった。


『なに言ってるの?』


『何でもないよ…燐が寝るまで手を繋いでいるからもう少し寝たほうがいいよ?』


『ぅ…ん』


 太陽がいるのに寝たくないなぁ…でも太陽がいると思うと俺の目はドンドン閉じていった。


『燐💕お休み』


 最後に聞こえたのは太陽のお休みって声だった…おでこに柔らかい感触がしちからチュっと軽くキスをしてくれたんだと思う。








◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆






『恥ずかしい…』


 結局俺は朝まで寝てしまった!朝起きると昨日のように体調は悪くなく元気になった。


『制服を掴むとかはずい』


 今は昨日の事で反省会をしている。


『とりあえず着替えよう』


 反省会をしていてもどうにもならないし、学校の準備をするのであった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る